「年利5.2%」「為替手数料ゼロ」――
そんなうまい話が、2025年6月に実在します。SMBC信託銀行プレスティアのドル定期預金キャンペーンは、条件だけ見ればまさに“神案件”に見えるでしょう。
しかし実際に試算してみると、満期後の円転(ドル→円)で大半の利息が吹き飛ぶ可能性がある、いわば“出口にワナがある”商品でもあります。
この記事では、キャンペーンの魅力とともに、どこで損をするのか、どうすれば回避できるのかを丁寧に解説します。
結論から言うと、「GMO外貨を経由すればこの商品は“使える”」――でも、それを知らずに預けると、せっかくの利回りが消えてしまうかもしれません。
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破格の条件で話題の「プレスティア米ドル定期」
2025年6月現在、SMBC信託銀行プレスティアが提供する外貨定期預金キャンペーンが注目を集めています。
なぜなら、年5.2%(税引後4.14%)という驚異的な利回りに加えて、円→ドルの為替手数料がゼロという、極めて好条件な内容だからです。
このキャンペーンの主な特徴は以下の通り:
条件 | 内容 |
---|---|
預入対象 | 米ドル定期預金(3カ月) |
金利 | 年率5.2%(税引後 4.14%) |
最低預入額 | 300万円相当以上(円→ドルで直接定期に) |
為替手数料(円→ドル) | 0円(期間限定) |

通常金利は年3.2%(税引後2.54%)ですが、今回のキャンペーンでは年5.2%(税引後4.14%)という破格の利回りが設定されています。3カ月という短期で、ここまでの金利がつく外貨定期は極めて珍しく、まさに“特典級”といえる内容です。
米ドルの3か月国債利回りって4.3%しかないのに太っ腹♪
他の銀行や市場実勢と比べても異常な“お得感”
現在のドル建て資産の利回りは、おおむね以下のような水準です:
商品 | 年利目安 |
---|---|
米ドル3カ月国債 | 約4.3% |
ネット銀行のドル定期 | 2〜3.5% |
国内販売の米ドルMMF | 約3.5%前後 |
これらと比較しても、プレスティアの5.2%は群を抜いており、「本当にこの条件で預けられるのか?」と疑いたくなる水準です。
さらに、外貨預金といえば通常、片道30銭〜1円程度の為替スプレッドが発生するのが当たり前。
つまり「金利で得しても為替で損する」のが常識でした。
しかし今回のプレスティアは、
- 為替スプレッド0円(片道)
- 超短期で高金利
- 預入手続きがシンプル(円→ドル定期のみ)
という、3拍子そろった異例のキャンペーンになっています。
「これは確かにすごい」でも——
ここまで見ると、「こんなに条件の良い話、本当にあるの?」と思う方も多いはずです。
そしてその感覚、実は正しいのです。
なぜなら、このキャンペーンには1つだけ大きな落とし穴があります。
それが、満期後にドルを円に戻すとき=“出口”で発生する為替手数料の存在です。
注意!出口(ドル→円)で“損する構造”に要注意
プレスティアのキャンペーンは、預入時(円→ドル)の為替手数料が0円になる非常に魅力的な条件ですが、満期後のドル→円(円転)には手数料がかかる点に注意が必要です。
以下は、公式に掲載されている【1,000万円を3カ月定期に預けた場合】の利息シミュレーションに基づく試算です:

円転時の“実質コスト”の試算(為替スプレッド1円の場合)
前提条件:
- 預入:1,000万円 → 71,428.57ドル(1ドル=140円換算)
- 税引後利息:739.93ドル
- 満期後の合計ドル残高:71,428.57+739.93 ≒ 72,168.50ドル
- 為替が140円で横ばいだったとしても…
- プレスティアでの円転レートが1ドル139円(1円スプレッド)だから?
為替スプレッドがなければ、本来の円転額は以下の通りです:
72,168.50ドル × 140円 = 10,103,590円
これに対して、1ドル139円で円転すると手取りは10,033,426円に。
差額=70,163円が為替手数料として失われる計算になります。
つまり、せっかくの利息「103,590円(739.93ドル×140円)」が、為替手数料でほとんど吹き飛ぶことになります。
結論:利息を受け取っても、実質残らない
- 3カ月で得られる利息:約10万円
- 為替スプレッドで失う金額:約7万円超
- 手取りは数万円になるか、円高になってるとマイナス
⚠ 補足:1円のスプレッドは“最大”ケース
プレスティアでは、顧客ステータスに応じて円転時のスプレッドが軽減される場合があります。
顧客ステータス | 円転時スプレッド(片道) |
---|---|
一般顧客 | 1円(最大) |
デジタルゴールド/ゴールド | 50銭 |
ゴールドプレミアム | 30銭 |
ただし、それでも数万の手数料がかかることには変わりません。
「出口戦略」はこれ!GMO外貨で円転すればスプレッド0.1銭
プレスティアのドル定期は、預け入れ時の為替手数料が無料という魅力的な条件がありますが、問題は満期後の「円転」です。
利息を受け取ったあとにプレスティアでそのままドル→円に戻すと、最大1円/ドルのスプレッドがかかるため、せっかくの利益が削られてしまいます。
解決策:外貨のままGMO外貨へ送金→スプレッド激安で円転
ここで登場するのが、谷まりあのCMで有名なGMO外貨です。
GMO外貨は、外貨入金が可能で、その外貨を円転する外貨両替(現受・現渡)が可能なめずらしいFX会社です。
その際のレートは、一般的なFX会社のスプレッドの片道わずか0.1銭(=0.001円)。
つまり、為替コストはほぼゼロといっても過言ではありません。
ありがたいことに、プレスティアのキャンペーンで300万円預けてプレスティアデジタルゴールドになれば外貨送金手数料が無料です。

この“裏ワザルート”の手順
- GMO外貨の口座を開設する
– 無料でオンライン申込み可(即日で完了) - プレスティアでGMO外貨を送金先に登録
– 登録には事前手続きが必要。外貨送金手数料が無料 - 満期後、ドルをGMO外貨へ送金する
– プレスティアの口座から、満期元本+利息分をそのままドル建てで送金 - GMO外貨で円転する(スプレッド0.1銭)
– 例えば72,168ドルを円転しても、コストは約720円ほどで済みます
– 円転後、出金すれば完了です
プレスティアとのコスト差は“ケタ違い”
項目 | プレスティア(一般顧客) | GMO外貨 |
---|---|---|
円転スプレッド | 最大1円 | 0.1銭(=0.001円) |
72,168ドルの円転コスト | 約72,000円 | 約720円 |
利息から引かれる割合 | 約70%以上 | ほぼゼロ |
※上記は概算です。為替レートは140円と仮定。
このように、「高金利をそのまま享受するための“出口戦略”」として、GMO外貨を使う方法は非常に合理的です。
まとめ:条件は破格、でも“出口戦略”まで考えるのが勝ち組
SMBC信託銀行プレスティアの「米ドル定期預金キャンペーン」は、確かに現時点で最強クラスの外貨定期です。
- 年5.2%(税引後4.14%)という短期高金利
- 預け入れ時の為替手数料は完全無料
- わずか3カ月で約10万円以上の利息(1,000万円預入時)
と、ここまで好条件がそろう外貨商品はなかなかありません。
しかし、そのままプレスティアで円に戻してしまうと、最大1円/ドルの為替スプレッドが待っています。
つまり、利息が為替手数料でほとんど消えてしまうという“出口のワナ”があるのです。
✅ 本当に利回りを活かすなら「GMO外貨」が必須
- 外貨送金でGMO外貨へ → 手数料無料(キャンペーン中)
- GMO側でドル→円へ → スプレッド0.1銭(実質ほぼゼロ)
- 手元に利息がまるごと残る
この裏ワザ的な「出口戦略」さえ押さえておけば、このキャンペーンは間違いなくお得です。
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