CFD銘柄の中でも、ちょっと異色な存在が「米国VI(VIX指数)」です。
実はこの商品、“売りが基本”という珍しい構造を持ち、仕組みさえ理解すれば放っておいても利益が出やすいと言われています。
この記事では、米国VIのCFDが投資家にとって有利な理由と、意外な業者側の事情まで、やさしく解説します。
米国VI(VIX指数)ってなに?簡単におさらい
「VIX指数(恐怖指数)」とは、S&P500のオプション価格から算出される今後のボラティリティ予想です。株式市場が不安定なときほど数値が上がり、逆に平穏な相場では低くなります。
よくニュースで「恐怖指数が急騰」と言われるのは、まさにこのVIXのこと。株式市場の“空気”を表す温度計のような指標です。
CFDで取引できる米国VIとは?
国内の一部のCFD業者(GMOクリック証券、GMO外貨など)では、このVIX指数をもとにした「米国VI」という商品が提供されています。
これはVIXの先物価格を参照したCFD(差金決済取引)で、価格の上下だけを狙って売買できる金融商品です。
米国VIは“売りが基本”の珍しいCFD
米国VIは、多くのCFD銘柄と違い、売りから入るのが基本戦略とされる珍しい存在です。
その理由は、VIX先物の価格の構造にあります。
🧠 ポイントは「順鞘(コンタンゴ)」という状態
VIX先物は通常、将来の価格が今の価格よりも高くなるという「順鞘(コンタンゴ)」という状態になっています。これは、保険料のようなものが上乗せされているイメージです。
ところが、時間が経過すると先物は現実のVIX(現物)に近づいていくため、価格が下がる方向に動くことが多いのです。
さらに、CFDではこの価格の差を「価格調整額」として定期的に反映してくれます。つまり、売りポジションを持っていると、何もしていなくても“価格が下がった分の利益”が積み上がる仕組みになっているのです。
📌 これが、米国VI CFDが“売るだけで勝てる”ことがある本当の理由です。
他にはなかなかない“売り目線で戦える”銘柄なんです。
📉 実際に、VIX連動ETFのチャートを見てみましょう。

ご覧の通り、VIX関連ETFは長期的に見ると、構造的に右肩下がりになります。
これは先物価格が常に“将来高く、後で安くなる”流れになっている=コンタンゴ構造が原因です。
CFDで取引する米国VIも、この先物価格の性質を反映しており、売り手に有利な構造ができあがっているわけです。
実は、業者泣かせのCFD商品
米国VIのCFDは、投資家にとって有利な一方で、業者にとってはかなり扱いづらい商品です。
- 投資家の多くが「売り」から入るため、売りポジションに偏りがち
- CFD業者はその分をヘッジ(カバー)する必要があり、先物市場での証拠金負担が大きくなる
- 相場が急変すると証拠金が一気に上昇し、業者の証拠金も上昇
そのため、米国VIが急騰した場面では「ショート規制(売り建て制限)」が頻繁に行われます。
でもこれって裏を返せば、
「投資家が売りで勝っていて、業者が厳しい状況になっている」証拠でもある
ということ。
業者泣かせ=投資家に有利という、ちょっと歪な構造のCFDなのです。
注意点とリスク管理も大切
いくら“売れば有利”とはいえ、米国VIは非常にボラティリティが高い商品です。
- 相場が急変したときにはVIXが一気に跳ね上がるリスクがある(例:コロナショックでは一晩で2倍以上に)
- CFDなのでロスカット水準が近く、維持率の管理がシビア
- ショート規制が入ると売り増しできない
そのため、過度なポジションを持たず、余裕のある証拠金管理が必須です。
まとめ:米国VIは“仕組みで勝てる”数少ないCFD
- VIX先物の順鞘構造 × CFDの価格調整額という組み合わせにより、売りが有利
- 投資家にとっては「寝かせておくだけでも利益が出ることがある」ユニークな銘柄
- 一方で、業者には不利な構造であるため、ショート規制などには注意が必要
📌 しっかり仕組みを理解すれば、リスクを限定しつつ優位性を活かせるCFDとして、
ぜひチェックしておきたい銘柄のひとつです。
🛠 実際に米国VI(VIX指数)をCFDで取引する方法や操作手順については、
以下のブログがとても詳しく解説されています👇
CFD投資のススメ
とても丁寧に図解されていて、これから実際に取引してみたい方には参考になるはずです。
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