CFD取引は少ない資金で大きなポジションを持てる反面、ロスカットのリスクを常に抱えています。特に、必要証拠金だけでポジションを持つと、わずかな価格変動でもロスカットに追い込まれるリスクがあります。
CFD取引では、たとえばGMOクリック証券の「セーフティバルブシステム(S.V.S)」のように、独自のロスカット方式が採用されていることが多く、
- ポジションごとにロスカットレートが設定される
- ロスカット対象は、レートに達したポジションだけ(口座全体の一括ロスカットではない)
という仕組みになっています。この仕組み自体は投資家にとって有利ですが、ポジション単位でロスカットされないように、任意証拠金を適切に設定しておくことが非常に重要です。
この記事では、
✅ なぜロスカットが起きるのか
✅ どうすれば任意証拠金を使って防げるのか
を解説します。
なぜCFDはロスカットされやすいのか?
CFD取引では、ポジションを建てた瞬間に自動で「ロスカットレート」が設定されます。
しかし、これは必要証拠金だけを基準に計算されるため、相場が少し逆行するだけでロスカットレートを割り込みやすくなります。
特に、必要証拠金ギリギリのポジションは、
- 少しの価格下落ですぐロスカット対象になる
- 価格が動かなくもスプレッドの拡大でロスカットの対象になる
というリスクを常に抱えることとなります。
必要証拠金とは?任意証拠金とは?
- 必要証拠金:ポジションを建てるために最低限必要な資金
- 任意証拠金:自分の判断で上乗せして設定できる追加資金(余力)
CFD取引では、任意証拠金を設定することでロスカットレートを広げることができます。つまり、任意証拠金を多く積んでおけば、ポジションがロスカットされるまでの価格変動幅が広がり、急激な変動にも耐えられる強いポジションが作れます。
これが「任意証拠金をしっかり確保するべき」最大の理由です。
ロスカットされないための目安とは?
たとえば、米国株指数であるS&P500のCFDを長期保有したいと考えた場合、リーマンショック時には約50%近い下落がありました。現実的な想定としては、20%〜30%程度の下落には耐えられる設計が望ましいです。
具体的な計算例
価格5,000米ドルのSP500を0.1枚取引した場合(米ドル/円が150円の時)
- 取引金額
5,000米ドル × 0.1枚 × 1(取引単位) = 500米ドル - 必要証拠金
500米ドル × 10% × 150.00 = 7,500円 - 任意証拠金:20%の下落に耐える設計
500米ドル × 20% × 150.00 = 15,000円
この場合、取引に必要な最低限の証拠金は7,500円ですが、さらに15,000円の任意証拠金を設定しておくことで、20%の価格下落にも耐えられる強固なポジションになります。
このように、最初から任意証拠金を厚めに設定しておくことで、大きな暴落局面でも慌てずに長期投資を続けることができます。
実践:任意証拠金を加味したポジションの作り方
CFD取引画面では、建玉ごとに必要証拠金と任意証拠金を確認できるようになっています。
運用時のポイント:
- ポジションを建てた直後に、任意証拠金を手動で設定する
- 必要証拠金の2倍〜3倍程度を任意証拠金として割り当てる
- 相場変動を見ながら、任意証拠金を追加調整することも検討する
この管理を徹底すれば、CFD取引の「小さな価格変動でのロスカット」という最大のリスクを、かなり抑えることができます。
※実際に任意証拠金を設定した画面イメージはこちらです。

まとめ:CFDで長期投資するなら任意証拠金を意識しよう
CFD取引は、適切なコスト管理とリスク管理ができれば、長期の資産運用にも十分活用できる強力なツールです。しかし、CFD取引では、ロスカットシステムの仕組みを正しく理解し、リスク管理を徹底することが欠かせません。
✅ 必要証拠金だけでなく
✅ 任意証拠金をしっかり割り当てる
という管理を徹底して、価格変動に振り回されない安定した運用を目指しましょう。ロスカットを防ぎ、落ち着いた長期投資環境を作ることが、CFD運用成功への第一歩です。

コメント