CFD取引のコストまとめ:長期保有でも安心?スプレッドや調整額をわかりやすく解説

CFD初心者ガイド

CFDって「手数料がかからない」って聞いたけど、実際はどうなの?

スプレッド、価格調整額、金利調整額…と聞きなれないコストが出てくると、不安になりますよね。

この記事では、CFD取引にかかる3つの主要コストの正体と、どれをどれだけ気にすればいいのかを、初心者にもわかりやすく解説していきます!

CFD取引にかかるコストとは?

CFD取引にかかるコストには、大きく分けて「スプレッド」「価格調整額」「金利調整額」の3種類があります。一見すると複雑に思えますが、実質的に投資家が日々意識すべきコストはスプレッドだけです。スプレッドとは、買値と売値の差(いわば見えない取引手数料)のことです。
たとえば、S&P500 CFDであれば、買値と売値の差がごくわずか──わずか数ポイント程度──しかありません。
これは、現物株やETFと比較しても非常に低コストであり、CFD取引最大のメリットの一つです。

一方、価格調整額や金利調整額は、

  • 基本的には資産の「市場構造」(先物乗り換えに伴う調整や金利差の反映)によるものであり、
  • 長期的には資産価格そのものに織り込まれるため、実際に運用パフォーマンスに影響を与える純粋な「手数料」とは異なります。

そのため、CFD取引を資産運用に活用する際には、
スプレッドがどれくらい狭いか
を重視すれば十分です。特に主要な株価指数(S&P500、NASDAQ100など)のCFDでは、現物ETFに比べてもスプレッドが極めて小さく、コスト効率の高い運用が可能になっています。

スプレッドとは何か?

スプレッドとは、CFD取引において買値(Bid)と売値(Ask)の差額のことを指します。いわば、取引する際に発生する「見えない手数料」であり、投資家にとって実質的なコストになります。

たとえば、あるCFD銘柄で

  • 買値:5,000ポイント
  • 売値:4,999ポイント
    と表示されていれば、そのスプレッドは1ポイントです。

取引を成立させた瞬間に、この差額分だけ不利なポジションを持つことになるため、スプレッドは小さいほうが投資家にとって有利です。

特に株価指数CFDでは、スプレッドが驚くほど狭く設定されています。一般的な現物株式やETFと比べても、非常に低コストで取引できることが、CFDの大きなメリットです。

主要なCFD銘柄のスプレッドはGMOクリック証券の配信スプレッド実績で確認してみてください。

価格調整額とは何か?

ナスダック100などの株価指数CFDを保有していると、3か月に1回「価格調整額」という名目で引き落としがあり、損をしたように感じることがあります。特に米国株のCFDでは引き落とし額が大きくなるため、「価格調整額のない投資信託の方が良いのでは?」と思うかもしれません。しかし、これは実際に損をしているわけではありません。

株価指数CFDは、実際には株価指数先物を通じて運用されています。先物には期日があるため、期日が近づくと次の期日の先物に乗り換える必要があります。このとき、通常、今の期日よりも次の期日の価格の方が高いため、そのままではCFDの価格が上昇し、投資家にとって利益が発生する可能性があります。この利益を調整するために「価格調整額」として引き落としを行い、全体でプラスマイナスゼロになるように調整しています。

こちらはナスダック100先物の期日の異なる価格を表示(赤枠内)していますが、期日が先のものほど価格が高いことがわかります。

先物の限月別の価格

ポジションの利益が増えた分が価格調整額として引き落とされているため、実質的に損でも得でもありません。こうした仕組みとして理解し、あまり気にしない方が良いでしょう。ただし、昨今の天然ガスのように大きな価格調整額が発生してCFD価格が大きく変動する場合もありますので、価格調整が入る時期の指値注文には注意が必要です。

金利調整額とは何か?

CFD取引では、一部の銘柄においてポジションを日をまたいで保有すると、金利調整額が発生します。金利調整額とは、ポジションを保有している間に発生する資金コストです。取引対象が「現物相場(スポット)」である場合、持ち越しコストが必要となるためです。

具体的には、

などが対象となります。

スポット型資産(金・銀など)を長期で保有する場合には、この金利コストがじわじわと効いてくるため、金利水準(例えば米ドル金利)が高い局面では保有コストが高くなりやすい点に注意が必要です。

なお、S&P500 CFDやNASDAQ100 CFDなどの株価指数CFDは先物価格に連動しているため、金利調整額は発生しません。これらの場合は、主に価格調整額によってコストが調整されます。

CFDコストまとめ:賢い運用のために

CFD取引にかかるコストには、スプレッド、価格調整額、金利調整額の3種類がありますが、
実質的に投資家が日々意識すべきなのは「スプレッド」だけです。特に主要な株価指数CFDでは、スプレッドが非常に狭く設定されており、現物株やETFに比べても極めて低コストで運用できるのが大きな魅力です。

賢いCFD運用のために押さえるべきポイント

  • スプレッドが狭い銘柄を選ぶこと
    (例:S&P500 CFD、NASDAQ100 CFDなど)
  • レバレッジを適切に抑えること
    (1倍〜3倍程度にとどめることで、ロスカットを回避)

これらを意識すれば、CFD取引を活用した資産運用は、十分に現実的な選択肢となります。

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