「高金利通貨は怖い」「スワップ投資はもう時代遅れ」──
そんなイメージを覆す存在が、メキシコペソ円(MXN/JPY)です。
実はこの5年間、メキシコペソは為替が大きく上昇し、スワップ込みのリターンでは+133%という驚きの実績を残しています。
しかも、購買力平価で見てもまだ割安とされており、長期保有に適した通貨のひとつといえるかもしれません。
本記事では、トルコリラの凋落とともに浮上した「スワップ派の新エース」メキシコペソについて、
その強さの理由、実際のリターン、そしてリスクまで、まるっと解説していきます。
メキシコペソ円はスワップ派の定番?トルコリラから乗り換え続出!
2021年ごろ、スワップ派の王者として君臨していたのはトルコリラ(TRY/JPY)でした。
当時の政策金利は20%、毎日スワップがじゃぶじゃぶ入ってくる“夢のような通貨”として、多くの個人投資家に愛されていたのです。
しかしその後、エルドアン大統領の独特な金融政策によって、利下げに次ぐ利下げ。
結果、リラの価値は急落し、“殺人通貨”とまで呼ばれる存在に。
スワップは残るけど元本がどんどん減っていく──そんな現実に、多くの投資家が手を引きました。
そこで次なる希望として注目されたのが、メキシコペソ(MXN/JPY)です。
なぜペソが選ばれたのか?
- スワップポイントが高水準
- 経済はある程度の物価安定と成長を両立
- チャートが明確に右肩上がり
- 単価が低いので証拠金が安く手を出しやすい
つまり、「リラほど危なくない高金利通貨」というポジションをメキシコペソが手に入れたのです。
投資家にとっての“ちょうどよさ”
トルコリラが“刺激が強すぎた激辛料理”だとしたら、
メキシコペソは“スパイシーだけど食べやすい本格タコス”。
スワップ派にとって、ちょうどいい辛さと安定感が魅力です。
💡ちなみに、最近はトルコリラも少しずつ復活の兆しを見せています。
👉 トルコリラ円は本当にオワコン?スワップ込みリターンで見えた意外な反転
メキシコペソ円の為替推移|過去5年で+75%のスポットリターン
メキシコペソのすごさは、「高金利」だけではありません。
為替レート(スポット価格)自体も右肩上がりという、スワップ派にとっては“夢のダブルコンボ”が実現しているのです。
実際に、2020年5月から2025年7月までの直近5年間の推移を見てみましょう。
圧巻の上昇率、+75%超!
下のチャートは、メキシコペソ円(MXN/JPY)の5年スパンの価格推移を示したものです。
これによると、メキシコペソ円は約+76%の上昇を記録しており、
同期間の南アフリカランド円(+39%)や米ドル円(+36%)を大きく上回っています。
📈 参考画像:TradingViewチャート(スポット比較)

スポット上昇だけでこのリターン
たとえば、2020年に10,000円分のメキシコペソ円を購入していれば、
スワップ抜きでも17,600円前後の価値になっていたということです(為替差益のみ)。
スワップが目的で買っていたはずなのに、為替自体で大きく勝ててしまう──
これが、ここ数年のメキシコペソ円の強さの本質です。
しかし、高金利通貨の真価はスワップ込みのトータルリターンで測るべきでしょう。
FXでメキシコペソを買うなら?スワップ込みで見る真のリターン
ここまでスポット価格(為替レート)の上昇を見てきましたが、
スワップ派の真骨頂はやはり「金利収入」です。
為替だけじゃない、“寝かせておくだけで増える”このスワップこそが、ペソ投資の本当の魅力。
ということで、スワップ込みのトータルリターンを見てみましょう。
5年間で+133%、驚異のダブルリターン
下のグラフは、2020年5月に各通貨を1万円分購入して、そのままスワップを再投資せずに寝かせていた場合の資産推移です。
📊 参考画像:評価額ベースの累積グラフ(MXN/JPY、ZAR/JPY、USD/JPY)

- メキシコペソ円(MXN/JPY):+133%(約2.3倍)
- 南アフリカランド円(ZAR/JPY):+90%
- 米ドル円(USD/JPY):+58%
スワップが期待される通貨の中で、ペソは圧倒的に好成績を収めています。
とくに米ドルやランドと比べても、為替とスワップの両輪で資産が伸びたことがわかります。
スワップは「雪だるま式」の複利
なお、今回の試算はレバレッジを常に1倍に維持した、つまりスワップで資産が増えたらポジションを増やし、複利的な運用を想定しています。
レバレッジ3倍なら400%か♪
「高金利通貨=リスクが高い」という先入観を持たれがちですが、
この5年間の実績を見る限り、メキシコペソは“高金利だけじゃない実力派”と言っても過言ではありません。
とはいえ、これだけ上がっていると「さすがにもう割高では?」という不安も出てきますよね。
次章では、その答えを購買力平価(PPP)という視点から探ってみましょう。
メキシコペソ 為替は割高なのか?購買力平価(PPP)で検証してみた
ここまでメキシコペソ円の「スポット価格の上昇」と「スワップ込みの高リターン」を見てきました。
しかし、こう思う方も多いのではないでしょうか?
「さすがに、ここまで上がるともう割高なんじゃ…?」
ごもっともです。
実際に為替相場は期待が先行して行きすぎることもあります。
では、いまのメキシコペソは本当に割高なのか?
その答えを探るヒントが、購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)という考え方です。
購買力平価とは?
ざっくり言えば「同じモノがいくらで買えるか?」という物価ベースの為替水準のことです。
ビッグマック指数などが有名ですね。
このPPPをベースにすると、各通貨が本来の実力に対して割高か割安かを判断する材料になります。
メキシコペソはまだ“割安”だった!
最新のOECD統計などによれば:
- メキシコペソは、対米ドルで約48%割安
- 日本円は、対米ドルで約36%割安
この数字をペソ/円で相対的に比較すると──
💡 メキシコペソは対円で約12%の割安圏にある、という見方ができます。
📉 参考画像:PPP比較チャート(ペソ、円、ドルの相対位置)

つまり、ここまで大きく上昇しているにもかかわらず、
「まだ割安圏内」と考える余地があるというわけです。
もちろん、為替市場は実需・投機・地政学・中央銀行政策など複雑な要因で動きます。
PPPだけを根拠に“もっと上がるはず!”と断定することはできませんが、
少なくとも「すでに割高で買えない」状態ではないというのは、心強い材料ではないでしょうか。
ではここで、ちょっと立ち止まって現実的な視点も忘れずに。
どんなに魅力的な通貨でも、リスクを甘く見てはいけません。
次章では、高金利通貨の“落とし穴”と注意点について触れていきます。
メキシコペソは危ない?FXで注意すべき高金利通貨のリスクとは?
ここまでメキシコペソ円の魅力をたっぷり紹介してきましたが、
当然ながら、どんな通貨にもリスクはあります。
特に高金利通貨には特有の落とし穴があるので、油断は禁物です。
平常時:スワップでコツコツ利益
メキシコペソ円は、市場が落ち着いている時は非常に安定して推移し、
スワップも着実に積み上がっていきます。
こういう時期は、まさに「スワップ派にとっての楽園」ですね。
でも相場が荒れると…
ところが、ひとたびリスクオフの風が吹けば話は別。
新興国通貨は真っ先に売られやすく、メキシコペソも例外ではありません。
たとえば:
- 米国の利上げや景気悪化
- 地政学的リスク(中南米や米国の政治不安)
- コモディティ価格の急変動(メキシコは資源国)
こうしたイベントが起きると、スワップで得た利益が一瞬で吹き飛ぶほどの下落が起きることも…。
レバレッジにご用心!
特に注意したいのがレバレッジのかけすぎです。
高金利通貨は「毎日スワップがもらえる」という魅力がありますが、
それを頼りに過剰にポジションを取ってしまうと、下落時の損失はシャレになりません。
✅ レバレッジは最大でも3倍くらい
✅ 投資している通貨が下落するとレバレッジが上がるので常にチェック
これくらいの守りの姿勢が、高金利通貨にはちょうどいいです。
💡ちなみに、スワップ派は「負けても勝てる」ってホント?
そんな疑問に答えたのがこちらの記事です👇
👉 スワップ派は死んでなかった!負けても勝てるFXキャリートレード戦略の真実
メキシコペソ円だけではなく、複数の通貨ペアに分散して投資したい方は参考にしていただければ幸いです。
まとめ:メキシコペソは“推し”通貨。でも投資はご慎重に
ここまで、メキシコペソ円という通貨ペアの強さ・魅力・可能性について全力で褒めてきました。
最後に、この記事のポイントを振り返ってみましょう。
✅ メキシコペソ円のここがすごい!
- 高金利&安定政策:現在の政策金利は8%
- スポットも右肩上がり:5年で+75%という圧巻の為替リターン
- スワップ込みなら+133%:同期間で評価額は約2.3倍
- それでも割高感は薄い:購買力平価ではまだ12%ほど割安水準
- レバレッジをかけなければ怖くない:むしろ長期保有に向いている通貨ペア
✅ でも油断は禁物!
- 市場が荒れたときの下落は激しい
- スワップよりも大事なのは生き残ること
- メキシコ経済や米国動向にも注目を
高金利通貨のこと、少しは好きになってくれた?
メキシコペソは推し通貨だけど、ポジショントークも入ってるから
投資はくれぐれも慎重にね!🌵💰
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