「スワップで年利17%」――そんな数字を聞くと、少し怪しい話に感じるかもしれません。
でもこれは、GMOクリック証券が実際に提供しているハンガリーフォリント円(HUF/JPY)のスワップポイント水準です。
かつては注目されながらも、急激な利下げで“終わった通貨”と見られていたHUF。
それをあえて今、再び市場に投げ込んできたのがGMOクリック証券です。
しかもただの話題づくりではなく、業者側の戦略・原資の合理性を突いた実利型のスワップ設定。
本記事では、この“狂気”とも言える高スワップの正体と、その活用法をまるごと解説します。
スワップ通貨といえば、トルコリラやメキシコペソも人気ですね。
実はトルコリラ円も“終わった通貨”ではない…? そんな意外なデータもご紹介しています:
GMOクリックのハンガリーフォリント円|狂気のスワップ17%とは?
「ハンガリーフォリントって高金利っぽいけど、よくわからないな」
そう思った人も多いかもしれません。ですが、2025年の今、GMOクリック証券がとんでもないスワップを提供していることで、ハンガリーフォリント円が再び注目を集めています。
GMOクリック証券では、ハンガリーフォリント円を10万通貨保有すると、1日あたり20円のスワップポイントがもらえます。
一見すると「たった20円なの?」と思うかもしれませんが、この20円という数字をよく見てください。ハンガリーフォリント円は、現在1ハンガリーフォリント=約0.43円。つまり、10万通貨はたったの43,000円相当なんです。
スワップ20円を年換算すると、
20円 × 365日 ÷ 43,000円 ≒ 年利17%!
そう、レバレッジなしでも年17%のリターンが得られる水準なんです。
ここで注意すべきは、ハンガリーの政策金利が2025年時点で6.5%であること。日本の短期金利(0.5%)を差し引いても、スワップポイントとして妥当な水準は年利6%程度が限界のはず。つまり、GMOクリック証券の提示しているスワップは金利差を完全に無視した水準であることがわかります。
この17%という数字、もはや狂気のスワップと言って差し支えないでしょう。
なぜこんな高スワップ?その背景にあるFX業界の動きとは
GMOクリックが繰り出した年利17%のスワップポイント。この異常な水準には、FX業界のいつもの過当競争が大きく関係しています。
話は2023年3月にさかのぼります。
トレイダーズ証券傘下の「みんなのFX」と「LIGHT FX」が、業界に先駆けてハンガリーフォリント円(HUF/JPY)の取り扱いを開始。当時のハンガリー政策金利はなんと13%。スワップ派の投資家たちの目が一気にこの新興通貨に集まりました。
ハンガリーフォリント円は、意外にも為替変動が小さく、安定感のある通貨ペアとしても注目されていました。
「高金利 × 安定通貨 × レバレッジOK」――これはもう、スワップ派の理想郷です。結果、ハンガリーフォリント円の取引量は一気に跳ね上がり、トレイダーズ証券のFX事業は盛り上がりを見せました。
一方で、この流れに出遅れた業者も多く存在していました。
- 新しい通貨ペアの採用にはシステム対応が必要
- いまほどスワップが注目されていなかった
- 人気が一過性だと見て様子見を決め込んだ
そして、それは“正しかった”ようにも思えました。
2023年10月以降、ハンガリーは急激な利下げ局面に突入。1年足らずで政策金利は13% → 6.5%へと半減し、魅力は急速に失われます。
▼ ハンガリーの政策金利推移(2022年〜2025年)

上記のチャートを見ると、2023年後半からの利下げラッシュがいかに急だったかがわかります。
「高金利」だったのはほんの一瞬。 それを狙って各社が導入したハンガリーフォリントは、金利低下とともに完全に見向きもされなくなりました。
実際、金融先物取引業協会が公表するFX通貨ペア別の取引量データでは、HUF/JPYの存在感はどんどん縮小。
「もはや終わった通貨」
「スワップ目当てで持つ価値なし」
そう思われていたのです。
そんな中、2025年3月――
GMOクリックが突如としてハンガリーフォリント円を導入。
FX投資家たちは驚きました。
「え、いまさらハンガリーフォリント?」
「誰もやってないから逆張り戦略?」
「どうせ何も考えてないんだろう」
…この時点では、まだ誰もこの“狂気のスワップ合戦”の開幕を予想していませんでした。
なぜ今、GMOクリックがハンガリーフォリント円を導入したのか?
FX業界において、商品導入のタイミングは非常に重要です。
新しい通貨ペアの投入は話題性を呼び、トレーダーの注目を集める大きなチャンスになります。
しかし、GMOクリック証券がハンガリーフォリント円を導入したのは2025年3月。
そのときの市場の反応は、あまり良いものではありませんでした。
当時はいまさら感が強かったのよね~♪
そう思われても仕方ありません。なにせ導入当時、ハンガリーの政策金利はすでに13%から6.5%まで急落しており、スワップ通貨としての旨味は失われていたのです。
実際、導入初期のスワップポイントも10万通貨あたり10円と、やや控えめな水準でした。
ところが――
GMOクリックは、そこで終わりませんでした。
2025年6月、GMOクリックは突如としてスワップポイントを倍増。
10円 → 20円へと一気に引き上げたのです。
これは、政策金利に基づく金利差からすれば完全に常識外れの設定。
実際に保有コスト43,000円に対して年7,300円ものスワップを得られるわけですから、年利換算で17%というとんでもない利回りになります。
この「勝つまで止めない」姿勢こそが、GMOクリック証券の真骨頂。
かつて南アフリカランドやメキシコペソ、トルコリラといった通貨でスワップ競争が過熱した際も、GMOクリックは業界トップクラスのスワップ水準と最狭スプレッドで存在感を示してきました。
しかし今回のハンガリーフォリント参入は、さらに緻密なマーケティング戦略が見え隠れしています。
というのも、仮に同様のスワップ引き上げをトルコリラ円やメキシコペソ円で行えば、
すでに多くの顧客がその通貨を保有しているため、業者側にとって莫大なスワップ支払いコストが発生します。
つまり、人気通貨ほど「スワップを上げるコスト」が跳ね上がるわけです。
その点、ハンガリーフォリントは2025年時点では誰も注目していない新興通貨。
導入直後で保有者もほぼゼロに近いため、スワップを高く設定しても、実際に支払う額は微々たるもので済みます。
「儲けさせてやる。ただし、新規ユーザーに限る」
そんな本音が透けて見えるような、話題性とコストパフォーマンスを両立した見事なスワップ戦略と言えるでしょう。
GMOクリックは、HUF/JPYという“終わった通貨”をあえて甦らせ、
「うちのスワップは狂ってる(いい意味で)」というメッセージをFX業界に叩きつけたのです。
GMOクリックのハンガリーフォリント円|スワップ収益を実際にシミュレーション
では実際、GMOクリック証券のハンガリーフォリント円(HUF/JPY)はどの程度儲かるのか?
数字で検証してみましょう。
📌 想定条件:
- ポジション:10万通貨(必要証拠金=約1,700円)
- スワップ:1日20円
- スプレッド:0.6銭(片道300円 × 往復=600円)
✅ スワップ収入
1日あたりのスワップ20円は、1か月(30日)保有すれば
20円 × 30日 = 600円 の収益になります。
💸 取引コスト
HUF/JPYのスプレッドは0.6銭。
10万通貨の売買で片道300円、往復だと600円のコストが発生します。
📊 結果:1か月後に“トントン”、その後は利益ゾーン
初月はスワップ600円とスプレッド600円がちょうど相殺されるため、損益は±ゼロ。
ただし、2か月目以降は純粋なスワップ収益=月600円ずつ積み上がっていく構造です。
📈 年換算ではどうか?
- 年間スワップ収入:600円 × 12か月 = 7,200円
→ 年利換算:約16.7%
ここには為替変動やロスカットなどのリスクは一切含んでいませんが、理論上は年利17%近いリターンを手にすることができます。
しかもレバレッジをかけて資金効率を上げることも可能です。
⚠ ただし注意点も
- スプレッド(0.6銭)はやや広めで、短期売買には不向き
- スワップポイントは業者側の都合で変更される可能性がある
- 為替が大きく円高に振れれば、スワップ利益を上回る損失が出る可能性もある
「取引コストを1か月で回収して、2か月目から純利益」
これは、FXスワップ投資としては非常に効率の良いモデルです。
しかも、GMOクリックは今のところこのスワップを安定して提供し続けているという点が大きな魅力です。(あくまで今のところですよ!)
ハンガリーフォリント円×ユーロ円でリスク分散
「年利17%!? だったらもっとレバレッジかけてガッツリ稼ぎたい!」
――そう思った方、ちょっと待ってください。
確かにスワップは魅力的ですが、為替変動リスク(ボラティリティ)も忘れてはいけません。
GMOクリックのハンガリーフォリント円(HUF/JPY)は、比較的安定した通貨ペアに見えるかもしれませんが、
実際の年率ボラティリティは約10.73%あります(※)。
これは、10万円投資したら1年間で±1万円程度は普通に上下するというリスク水準です。
レバレッジを5倍かけたら追証がかかる可能性が高くなります。
✅ 解決策:ユーロ円を売ってリスクを下げる
ここで活用したいのが、「ユーロ円(EUR/JPY)の売り」との組み合わせです。
というのも、ハンガリーフォリントはユーロ圏に深く依存する通貨であり、ハンガリーフォリント円とユーロ円の値動きは非常に似ています。
実際、以下のチャートをご覧ください。
📊 HUF/JPYとEUR/JPYの価格推移(2024年8月〜2025年7月)

ぼシンクロして動いていることがわかります。
つまり、ハンガリーフォリント円を買ってユーロ円を売ることで、為替リスクを相殺(ヘッジ)できるのです。
📉 ボラティリティは約半分に低下
実際に組み合わせた場合のポートフォリオボラティリティは、
年率10.73% → 約5%程度(HUF/EUR換算では4.8%)にまで抑えることができます(※)。
当然、ユーロ円の売りポジションにはスワップコスト(スワップの払い)が発生しますが、
ハンガリーフォリント円の高スワップと比較すれば、なお収支はプラス圏に残るケースが多いです。
🛠 具体的なポジション構成(例):
- HUF/JPY:買い400万通貨(日本円換算:170万円程度)
- EUR/JPY:売り1万通貨(日本円換算:180万円程度)
このように、リスクを半分に抑えながらスワップの大半を維持できる組み合わせ戦略は、
レバレッジを効率的に使いたい人にとって非常に魅力的です。
💡 さらに踏み込むなら:HUF/EURの直接取引(サクソバンクなど)
ちなみに、HUFとEURのペアは「HUF/EUR」として直接取引できるFX業者もあります。
代表例がサクソバンク証券で、ここではHUF買い×EUR売りのスワップ収益を直接狙うことが可能です。
ただし、、GMOクリックのような“狂気のスワップ”は期待できません。
※本記事で使用しているボラティリティの数値は、2024年8月1日~2025年7月31日の日次リターンから算出し、年率換算したものです。
ンガリーフォリントのように、レバレッジを抑えつつスワップを得る通貨ペアは他にも存在します。
たとえば、米ドル/トルコリラ(USD/TRY)を売る戦略は、その最たる例です:
ハンガリーフォリントのスワップは今が狙い目?GMOクリック活用のまとめ
GMOクリック証券が提供するハンガリーフォリント円(HUF/JPY)のスワップは、まさに「狂気のスワップ」と呼ぶにふさわしい水準です。
- たった43,000円のポジションに対して、年間7,300円のスワップ収入
- 年利換算で約17%という非常識なリターン
- しかも業界最大手の信頼性と、比較的狭いスプレッド付き
これほどまでに高水準のスワップを提供できる背景には、
「後発ゆえに保有者が少なく、スワップ原資の支払いが限定的」という業者側の合理性があります。
また、HUF/JPYとEUR/JPYの相関性を利用して、ユーロ売りとのペア取引を組み合わせれば、
為替リスクを抑えながらレバレッジ運用も可能となります。
ただし、忘れてはならないのは以下のポイントです:
- スワップポイントは業者の裁量でいつでも変更される(突然減らされる可能性あり)
- 為替変動リスクがある(HUFが下落すれば元本損失の可能性)
- スプレッドコストがある程度かかる(往復で600円/10万通貨)
💡この戦略は「今だけの戦術」と割り切って使おう
GMOクリックのHUF/JPYは、長期的な資産運用の主軸にはなりません。
あくまで、「今この瞬間、圧倒的にお得なスワップ通貨」として活用する“戦術的ポジション”です。
少額で試してみるのも良し、
ユーロとの組み合わせでレバレッジを抑えて運用するのも良し。
いずれにせよ、「美味しいうちにいただいておく」くらいのつもりがちょうどいいでしょう。
他の高スワップ通貨の戦略も気になる方は、以下の記事もぜひどうぞ:
🔁 補足:HUF/EURを直接取引するならサクソバンク
GMOクリック証券ではHUF/JPYのスワップが最強ですが、
ユーロとの組み合わせをもっとシンプルにやりたい方は、
HUF/EURを直接取引できるサクソバンク証券も選択肢になります。
- HUF買い×EUR売りを1本で構成
- 取引通貨も豊富でマニアック通貨好きにもおすすめ
- 世界有数の金融機関が提供する安心の取引環境
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