みんなのFXが「スイスフラン/トルコリラ」の取り扱いを開始します。
売りスワップが1Lotあたり1,000円超──まさに「当社史上最高」と銘打たれた水準です。
毎日1,000円以上のスワップが入ると聞けば、つい「これはお得だ!」と思いたくなりますよね。
でも、ちょっと待ってください。スワップ額が大きいからといって、それが必ずしも投資家に有利だとは限らないのです。
実は「スワップが大きく見えるカラクリ」があり、本当に注目すべきは数字の大きさではなく金利差と”利回り”です。
この記事では、新しく登場するスイスフラン絡みの通貨ペアを例に、その仕組みと注意点をわかりやすく解説していきます。
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当社史上最高のスワップとは?
2025年9月29日から、みんなのFXが新しく「スイスフラン/トルコリラ」の取り扱いを開始します。広告では、「当社史上最高の売スワップポイント」と大々的に宣伝されており、注目を集めています。

見出しにもあるとおり、売りスワップは1Lotあたり1,000円を超える水準になる見込みとのこと。確かに「毎日1,000円以上のスワップポイントが入る」と聞けば、とてもお得に思えてワクワクする人も多いはずです。
しかし、ここで立ち止まって考えてみたいのは、「スワップ額が大きいこと=有利」というわけではないという点です。スワップポイントには“額面が大きく見えるカラクリ”があり、本当に大切なのは数字そのものの大きさではありません。
この記事では、その仕組みを解説しながら、新しく登場するスイスフラン絡みの通貨ペアをどう見るべきかを考えていきます。
通貨ペアの仕組みをおさらい(基準通貨と決済通貨)
FXの通貨ペアは「USD/JPY」のように表記されます。
このとき、左側のUSDは 基準通貨(ベース通貨)、右側のJPYは 決済通貨(クォート通貨) と呼ばれます。
例えば USD/JPY = 150 というレートが出ていた場合、
「1ドルを買うのに150円が必要」という意味になります。
つまり、基準通貨を1単位買うときに、決済通貨をいくら払うかを示しているのが通貨ペアのレートです。
この仕組みを理解しておくと、「スワップ額が大きい」理由も見えてきます。FX業者が提示するスワップポイントは、基準通貨を1万単位(=1Lot)取引したときの金利差をもとに計算されているからです。
スワップポイントの基本:想定元本 × 金利差
スワップポイントとは、通貨ペアを保有している間に発生する2国間の金利差を反映した受け取り(または支払い)のことです。
ポジションを持つと、金利が高い通貨を「買っている側」なら受け取り、逆に「売っている側」なら支払うことになります。
計算の基本はシンプルで、
スワップポイント = 想定元本 × 金利差
となります。
ここでポイントなのが、想定元本の大きさです。FX業者では、通貨ペアの基準通貨1万単位(=1Lot)を取引単位としてスワップを計算しています。
例えば「USD/JPY 1万通貨」と「CHF/JPY 1万通貨」では、同じ“1万通貨”でも円に換算した金額が違います。
- USD/JPY = 150円 → 1万USD ≒ 150万円
- CHF/JPY = 180円 → 1万CHF ≒ 180万円
つまり、同じ「1Lot」でも、スイスフランの方が円換算すると想定元本は大きくなります。
そのため、金利差が同程度であれば、スワップ額も相対的に大きく見える傾向があります。
ただし、実際のスワップ額はあくまで 基準通貨と決済通貨の金利差によって決まります。したがって「スイスフランだから必ず大きい」というわけではなく、「額が大きく見える条件になりやすい」というのが正しい理解です。
なぜスイスフラン建てだとスワップが大きく見えるのか?
スイスフラン/トルコリラで「当社史上最高のスワップポイント!」と宣伝される背景には、ちょっとした“カラクリ”があります。
先ほど触れたとおり、スワップ額は「想定元本 × 金利差」で決まります。
ここでいう想定元本とは、基準通貨1万単位を円に換算した金額です。
例えば、従来から国内業者で取引されてきた「トルコリラ/円」の場合を考えてみましょう。
1万トルコリラはおよそ36,000円程度。つまり、円換算した元本はとても小さいのです。
一方、スイスフランを基準通貨にした場合、1万スイスフランは180万円前後。トルコリラ基準と比べると、なんと 約50倍の元本 になります。
👉 その結果、同じような金利差でも、スイスフラン建ての通貨ペアのスワップ額は「大きく見えやすい」わけです。ただし、それが必ずしも投資家にとって有利とは限りません。
つまり、広告で強調される「スワップ額が大きい!」というのは、通貨ペアの設定方法による見かけの効果も含まれているということ。スイスフランだから特別に有利、という意味ではありません。
本当に大切なのは“金利差”と“業者の提示水準”
ここまで見てきたように、スワップ額の大きさは「基準通貨を円に換算した想定元本」によって大きく左右されます。
しかし、スワップ投資家にとって本当に注目すべきなのは「スワップ額の見かけ」ではなく、金利差そのものです。
スワップの基本は、各国通貨の政策金利の差で決まります。
たとえばトルコリラは超高金利通貨として知られ、政策金利が40%を超えています。これに対して、スイスフランゼロ金利に戻ったのが現状です。
この極端な金利差があるからこそ、大きなスワップが生まれます。
ただし注意したいのは、実際に提示されるスワップ水準は業者ごとに大きく異なるという点です。
本来の金利差から業者がどれだけ「自社の利益」として差し引くのか、あるいはGMOのように「赤字覚悟で高スワップを提供する」のか、その方針によって投資家が受け取れる水準は全然違ってきます。
したがって、提示されたスワップ額を鵜呑みにするのではなく、「提示スワップ ÷ 想定元本」で利回りを計算し、本当に有利な条件なのかを確認することが重要です。
スワップ投資の本質は「額の大きさ」ではなく、金利差+業者の提供水準を踏まえた実質的な利回りにあります。
スワップ額が「大きく見える」仕組みをもっと深掘りしたい方はこちら
👉 FXのスワップポイントはどう決まる? 仕組み・業者差・カラクリを徹底解説
スワップ込みパフォーマンスで見る投資効果
スワップ投資において、実際の投資成果を測るには「スワップ込みのパフォーマンス」を見ることが欠かせません。
例えば、スイスフラン/トルコリラを例に考えてみましょう。この通貨ペアは売りを想定しているため、トルコリラ/スイスフランでチャートをお見せします。
通常のチャート(レートそのもの)だけを見ると、トルコリラ安が続いているため、グラフは右肩下がりとなっています。「こんなに下がっている通貨を買って大丈夫なの?」と思う方も多いでしょう。

しかし、スワップポイントを加味した「スワップ込みのパフォーマンス」で見ると印象は大きく変わります。トルコリラは超高金利通貨のため、スワップの積み上げ効果が為替の下落を補って余りあるケースが多いのです。

実際に、過去のデータでも「レートだけなら下落基調」だったものが、スワップ込みでは右肩上がりに転じている局面が確認できます。もっとも、2025年に入ってからはスイスフランが非常に強く推移しているため、短期的にはスワップで補いきれない部分も見られます。それでも、スワップがリターンの下支えとして機能しているのは明らかです。
他の新通貨ペアもサクッと確認
今回合わせて追加されるスイスフラン/メキシコペソとスイスフラン/南アフリカランドの売りのスワップ込みパフォーマンスも簡単に確認しておきましょう。


どちらもスイスフランの強さが際立っているため、為替レートだけを見ると下押しが目立ちます。
しかし、スワップ込みで見ればパフォーマンスは一定程度下支えされており、スワップ投資らしい効果が確認できます。
まとめ:スワップ額の大きさに惑わされないために
今回は、みんなのFXが新たに取り扱いを始める「スイスフラン/トルコリラ」などの通貨ペアを題材に、スワップポイントの見方について整理しました。
一見すると「当社史上最高のスワップポイント」というキャッチコピーに目を奪われがちですが、実際には以下のようなポイントを押さえておくことが重要です。
- スワップ額は「基準通貨を円に換算した想定元本」と「金利差」の組み合わせで決まる
- 同じ「1万通貨」でも、通貨によって元本の大きさが違うため、額面が大きく見えることがある
- 真に大切なのは「金利差そのもの」と、業者が提示するスワップ水準(利回り換算して有利かどうか)
- 為替レートだけで判断せず、スワップ込みのパフォーマンスで投資結果を確認すること
スイスフランはゼロ金利通貨となっており、トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドといった高金利通貨との組み合わせは一見非常に魅力的に映ります。しかし実際に投資妙味があるかどうかは、為替動向とスワップ利回りを合わせて判断することが不可欠です。
今後、みんなのFXがどの程度の水準でスワップを提供し続けるのか。投資家にとって魅力的な利回りとなるのか。引き続き注目していきたいところです。
みんなのFXでスイスフラン/トルコリラの売りスワップを体感しよう
みんなのFXでは、今回ご紹介した スイスフラン/トルコリラ をはじめとするスワップ狙いの通貨ペアが多数取り扱われています。
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