FX黎明期(2000年代前半)、スワップポイントだけで資産を増やす「スワップ派」と呼ばれる投資家たちがいました。
高金利通貨を買い、低金利通貨を売ることで、為替差益ではなく日々発生するスワップを積み重ねていく投資スタイルです。
しかし、2007年以降の高金利通貨の暴落によって「スワップ派」は絶滅し、その手法も「為替が逆行したら損するだけ」「そんな戦略は時代遅れ」と貶されてしまいました。
……そう思われて久しいこの手法ですが、最近の金利環境の変化で見直されつつあります。
実際、キャリートレード戦略を過去20年分バックテストしてみたところ、年率10%超という驚異的な収益を出し続けていたという結果が得られました。
私も数百万円の損を出して退場したよ♪やめなければよかったな・・・
FXでのキャリートレード戦略とは?
キャリートレードのルール(超シンプルに!)
この戦略は以下のようなシンプルなルールに基づいています:
- 毎月、対象国の政策金利データから、上位3通貨・下位3通貨を選出
- 上位3通貨をロング(買い)、下位3通貨をショート(売り)
- 通貨ペアはすべて「対円」で統一(MXN/JPY、ZAR/JPYなど)
- 1カ月ごとにポジションを見直し、リバランス
- 為替リターン + 金利差(スワップ相当)を合算して評価
- レバレッジは3倍をキープ
※なお、下位3通貨にJPY(日本円)が含まれていた場合、その分はポートフォリオにおいてショートポジションをとりません。2通貨ペアだけショートするポジションとなります。
シミュレーション結果(2004年4月〜2025年4月)
この戦略を実際にPythonで実装し、月次リターンを集計。年率換算で以下のような結果になりました:
- 年率リターン: 10.72%
- 年率リスク(ボラティリティ): 23.40%
- シャープレシオ: 0.46
そして、以下はその資産推移を描いたグラフです。2004年の10,000円が、今年には90,000円に達しています。

一時的に為替が逆行して損失が出る期間も多々あるようです。しかし、それでも愚直にポジションを維持し続けた結果、スワップが収益を積み重ねていきました。
スワップ派が再評価される理由
かつては「低金利通貨 vs 高金利通貨」の金利差が縮まり、スワップだけでは儲けにくい時代が続いていました。しかし、最近では再び金利差が大きくなり、キャリートレード環境が整ってきています。
実際にこの戦略で対象にしたのは以下の通貨ペアです:
- USD/JPY
- EUR/JPY
- GBP/JPY
- AUD/JPY
- NZD/JPY
- MXN/JPY
- ZAR/JPY
- CHF/JPY
特に2020年以降は、MXN/JPYやZAR/JPYなどの新興国高金利通貨が大きな収益源となり、戦略全体のパフォーマンスを押し上げる要因となりました。
なお、TRY(トルコリラ)はボラティリティと下落トレンドが極端なため除外しました。
HUFやCZKの導入でさらなる改善も
今回はデータ取得の都合上、CZK(チェココルナ)やHUF(ハンガリーフォリント)をシミュレーションに組み込めませんでした。
しかし、このような新興国通貨の政策金利は相対的に高いことが多く、キャリートレード戦略に組み込めば、さらなるパフォーマンスの改善が期待されます。
今後、これら通貨をフルに取り込んだ戦略の検証も行っていきたいと思います。
実際に始めるには?
このようなスワップ戦略を実践するには、高スワップ通貨が揃っているFX業者を選ぶ必要があります。
✅ おすすめは「みんなのFX」
- メキシコペソや南アランドなど高スワップ通貨が充実
- スワップポイントも業界最高水準、特にLIGHTペアはずば抜けて高い!
- スプレッドも狭く、実践向き

スワップ投資の始め方(5ステップ)
- FX口座を開設する
- みんなのFXなど、スワップ狙いに強い業者を選ぶ
- 本人確認書類とマイナンバーが必要
- 入金する
- 少額からでもOK(例:10万円)
- スワップ目的ならレバレッジ1〜3倍が現実的
- 対象通貨を買う
- 各国の政策金利を比較
👉 難しそうに見えますが、実は簡単!
以下のような無料サイトで、主要通貨の政策金利を一覧で確認できます:
- 外為どっとコム「世界の金利一覧」
-トレーダーズ・ウェブ「政策金利一覧」 - 政策金利の高い国の通貨を買って、低い国の通貨を売る(3ペアづつくらいがお勧め)
- 保有ポジションに対して、毎日スワップがつく
- 各国の政策金利を比較
- ポジションを維持する
- 一時的な為替変動に動じず、スワップを積み上げていく
- 毎月リバランスを行う
- スワップを確認しながら継続投資
- 毎月のスワップ額を見てモチベーションアップ!
- 記録をつけると継続しやすい(みんなのFXなら収益カレンダーで一目瞭然)
まとめ:勝つのではなく、続けること
キャリートレードは短期的な勝ち負けに一喜一憂するのではなく、ルール通り淡々と続けることで勝つ戦略です。
スワップ派は死んでいません。 むしろ、いまのような高金利環境では“復活”しているのです。
ポジションを持ち続けた者だけが、その恩恵を受けることができる。 それがスワップ戦略の本質なのかもしれません。

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