スワップ投資を続けていると、スワップ益が積み上がる一方で、レバレッジが下がり「思ったほど複利が効かない」と感じることはありませんか?
そんなときに必要なのが「買い増し」ですが、どうせ買うなら少しでも有利なタイミングで仕掛けたいもの。
実はFXには、時間帯ごとのアノマリー(傾向)がはっきり存在します。
スプレッドが狭くなる時間帯、円高・円安に振れやすい時間帯をうまく利用すれば、同じ通貨でもより安く仕込んで、効率的にスワップを積み上げることができます。
本記事では、実際のデータや論文をもとに、「トルコリラ円・メキシコペソ円は夕方に」「フォリント円・コルナ円は夜に」など、スワップ投資家が意識すべき“買い増しの最適時間帯”をわかりやすく解説します。
スワップ投資の悩み:何時に買い増せばいいの?
スワップ投資が順調に進むと、スワップ益が積み上がっていき、証拠金残高が増えます。
うれしい反面、レバレッジが低下していくのは避けられません。
レバレッジの目標値は人それぞれですが、「資金効率が落ちてリターンが伸びなくなる」という点は、多くの投資家が共通して感じる悩みでしょう。
スワップ投資は基本的に“時間を味方にする戦略”ですが、複利効果を最大限に活かすためには、一定のレバレッジを維持することも大切です。
そのためには、定期的な買い増しが欠かせません。
とはいえ、どうせ買うなら、少しでも有利なタイミングで買いたいもの。
FXでは、時間帯によってスプレッド(取引コスト)や為替の動き方(アノマリー)に明確な差があります。
同じ通貨を同じ金額で買っても、時間帯を数時間ずらすだけでコストもエントリー価格も変わるのです。
本記事では、「スプレッドが狭くなる時間帯」、「通貨が安くなりやすい時間帯」の観点から、スワップ投資家にとっての“お得な買い増しタイミング”を探っていきます。
まずはコストを抑える:スプレッドが狭い時間に買うのが鉄則
スワップ投資の買い増しで最初に意識したいのは、スプレッド(取引コスト)です。
どれだけ良いタイミングでエントリーしても、スプレッドが広い時間帯に取引してしまうと、それだけで数pips分の損失を抱えた状態でスタートすることになります。
多くの国内FX業者では「原則固定スプレッド」を採用していますが、実際には固定される時間帯が限定されていることが多いです。
たとえばGMOクリック証券では、
午前9:00〜翌午前3:00の時間帯を「原則固定スプレッド」としており、それ以外の時間帯では一気にスプレッドが拡大します。
実際の数値を見ると、その差は驚くほど大きいことがわかります。
📊 GMOクリック証券のスプレッド一覧(2025年11月時点)

たとえば米ドル円では、通常時0.2銭のスプレッドが、早朝など固定時間帯外では3.8銭まで拡大。
ユーロ円も0.4銭→5.9銭、ポンド円に至っては10倍以上の差になります。
この差は、一度の取引では小さく見えても、長期的なスワップ投資では確実に効いてきます。
したがって、買い増しを行う際には、
✅ 午前9:00〜翌午前3:00の「固定スプレッド時間内」に実施する
という点を意識するだけで、コストを大幅に抑えることができます。
スワップ投資は時間を味方につける戦略ですが、取引時間の工夫も“もうひとつの時間戦略”です。
時間の癖を読む:FX市場には時間帯ごとのリズムがある
スワップ投資のもうひとつの鍵は、時間帯による為替の“癖”を利用することです。
FX市場は24時間動いていますが、世界の主要市場(東京・ロンドン・ニューヨーク)のどこが開いているかによって、値動きの特徴がはっきり分かれます。
その代表例が、仲値(東京Fix)の存在です。
日本時間の午前9時55分、銀行が顧客との取引レートを決める時間帯には、輸入企業によるドル買い需要が集中するため、
ドル円が一時的に上昇(ドル高・円安)しやすい
という傾向が知られています。
このように、為替市場には「決まった時間に決まった方向へ動きやすい」リズムがあります。
そのリズムを体系的に示したのが、米国の研究論文 『Foreign Exchange Fixings and Returns Around the Clock』(2020)です。
📈 為替の1日リズム(EUR・GBP・JPY 対 USD)
この図は、ユーロ(青)、ポンド(緑)、円(赤)の対ドルリターンを、1日の時間帯ごとに平均したものです。
(データ期間:1999年~2019年、Refinitiv Tick History)

図の縦軸は「1日の累積リターン(bps)」、横軸はアメリカ東部時間(ET)です。
線が上向いている部分は「ドル安(各通貨高)」、下向いている部分は「ドル高(各通貨安)」を意味します。
黒い縦線は、
- 東京Fix(20:55 ET=日本時間9:55)
- ECB Fix(8:15 ET=日本時間22:15)
- ロンドンFix(11:00 ET=日本時間翌1:00)
をそれぞれ示しています。
これを見ると対ドルでは、
- 円(赤線)は朝に下落(=ドル高円安)しやすく、夕方にかけて上昇(=ドル安円高)しやすい
- ユーロ(青線)は、朝に上昇するが、夕方以降は下落する
というパターンが見えてきます。
つまり、通貨ごとに「安く買いやすい時間」と「高くなりやすい時間」が、平均的に存在しているということです。
高金利通貨(リラ円・ペソ円)は夕方に買うと有利
多くのスワップ投資家が保有している通貨ペアといえば、トルコリラ円やメキシコペソ円でしょう。
これらの高金利通貨は、実はドル円と高い相関を持っています。
したがって、ドル円の時間帯アノマリーを理解することは、そのまま高金利通貨の“買い増しタイミング”を知ることにつながります。
🕕 ドル円の1日リズムが「高金利通貨のリズム」になる
為替市場では、東京市場の中心イベントである東京仲値(9:55)に向けて、企業のドル買いフローが集中します。
その結果、
朝9時〜10時ごろはドル高・円安になりやすい(=円が売られやすい)
という傾向が長年にわたって観測されています。
一方で、夕方から夜(特に17〜18時ごろ)は、輸出企業のドル売りや欧州勢のフローが重なり、
ドル安・円高になりやすい(=円が買われやすい)
傾向があります。
この1日のリズムは、円を絡めた他の通貨ペアにも共通して表れます。
とくにトルコリラ円やメキシコペソ円のような高金利通貨ペアは、円の強弱がほぼそのままレートに反映されるため、ドル円のアノマリーをそのまま活用できるのです。
💡 買い増しは夕方、利食いは朝
平均的にみると、
- 夕方(17〜18時)ごろ → 円高(通貨ペアが下がりやすい)=買い増しの好機
- 朝(9〜10時)ごろ → 円安(通貨ペアが上がりやすい)=利食い・調整の好機
というパターンが確認できます。
たとえば、トルコリラ円やメキシコペソ円を長期保有している場合でも、「スワップをもらいながら、定期的に買い増していく」戦略では、夕方に押し目を拾うだけで平均取得コストを下げられます。
また、朝方に上昇しているタイミングでは、「軽くポジションを落とす」「スワップ益を再投資する」などの動きを組み合わせることで、より効率的な運用が可能になります。
トルコリラ円やメキシコペソ円のような高金利通貨は、スワップ投資家にとって長期の味方です。通貨ごとの特徴を詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
👉 トルコリラ円は本当にオワコン?スワップ込みリターンで見えた意外な反転
👉 メキシコペソはスワップ派の味方|最強通貨ペソを褒めてみた
欧州通貨(フォリント円・コルナ円)は夜が安い
最近では、トルコリラやメキシコペソだけでなく、ハンガリーフォリント円(HUF/JPY)やチェココルナ円(CZK/JPY)といった欧州通貨ペアをスワップ投資に組み入れる投資家も増えています。
これらの通貨はユーロ圏と深い経済的つながりを持ち、値動きもユーロ円に強く連動します。
したがって、ユーロ円の時間帯アノマリーを理解することが、欧州通貨ペアの買い増し戦略にも直結します。
📈 ユーロ円は「夜に安く、朝に高い」
以下の図は、第3章で紹介したものを再掲したものです。
ユーロ(青線)と円(赤線)の対ドルリターンを時間帯別に平均したものです。

💡 図の読み方:青と赤の“差”がユーロ円の強弱を示す
このグラフは一見、各通貨の「対ドルでの動き」を示しているだけのように見えますが、実はこの青線(ユーロ)と赤線(円)の差=ユーロ円の強さを表しています。
ユーロ円のリターンは、数式で近似すると以下のようになります:
ユーロ円のリターン ≒ ユーロの対ドルリターン − 円の対ドルリターン
したがって、
- 赤線と青線の距離が狭い → ユーロ円が高値圏
- 赤線と青線の距離が広い → ユーロ円が安値圏
という関係が成り立ちます。
🕒 いつユーロ円は安く、高くなるのか?
図を見ると、
- ETの7〜8時(日本時間21時前後)で赤線と青線の距離が最も広い(ユーロ安・円高)
- ETの20〜22時(日本時間9〜10時ごろ)で距離が最も狭い(ユーロ高・円安)
ことが分かります。
つまり、平均的には
夜にユーロ円が安く、朝にユーロ円が高くなる
というサイクルが繰り返されています。
💰 欧州通貨ペアでの実践:夜の押し目を拾う
ユーロ円と連動するフォリント円やコルナ円でも、この時間帯パターンはほぼ同じです。
とくに日本時間21時前後は、東京市場が引けて欧州勢のフローが活発化する時間帯で、欧州通貨が安くなる傾向があります。
したがって、
夜21時ごろに買い増しを行い、翌朝9〜10時に利食い・調整する
のが、統計的にもっとも有利なパターンといえます。
さらに、朝9時以降はスプレッドが再び狭まり、東京仲値に向けた円売りも入りやすくなるため、
スプレッドと値動きの両面で有利な利食いタイミングになります。
ハンガリーフォリント円は、欧州通貨の中でも特に高スワップで注目されています。
実際のスワップ水準や利回りの高さについては、こちらで詳しく紹介しています。
まとめ:スプレッドとアノマリーを味方につけた買い増し時間
スワップ投資の成果は、通貨の選び方だけでなく取引する時間によっても変わります。
長期保有が基本とはいえ、取引コストやエントリーのタイミングを意識するだけで、同じポジションでも収益効率を高めることができます。
まず大切なのはスプレッド。
多くのFX業者では午前9時〜翌午前3時が固定スプレッド時間で、この時間内に取引すればコストを最小化できます。
とくに東京市場が始まる午前9時以降は安定しやすい時間帯です。
次に注目したいのが為替の時間リズム。
ドル円では夕方に円高、朝に円安となる傾向があり、これに連動するトルコリラ円やメキシコペソ円は
夕方に買い増し、朝に利食うのが効率的です。
一方でユーロ円やフォリント円など欧州通貨は、夜に押し目をつけ、翌朝に戻しやすいパターンが見られます。
こうした時間帯の特徴を意識すれば、スワップ投資に不可欠な買い増しを効率的に行うことができます。
スワップ投資のコツは値動きを読むことではなく、
「スプレッドが狭く、押し目が出やすい時間を選ぶこと」
です。
焦らず、時間を味方につけて淡々と積み上げる——
それがスワップ投資を長く続け、確実に成果を出す最も賢い方法です。
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この記事で紹介した「時間帯アノマリー」や「固定スプレッドの取引時間」は、
GMOクリック証券のようなスプレッドが安定したFX業者を使うと最も活かしやすいです。
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