FXスプレッドが広がる時間帯は?ドル円の1日観測結果と注意点

CFD・FXリアル体験記

FXの広告でよく見かける「スプレッド0.2銭」という甘い響き。
取引コストが安くなるなら、と飛びつきたくなりますよね。

でも──

その“0.2銭”、本当にいつでも固定されているのでしょうか?

今回は、実際にGMOコイン(変動スプレッド制)のドル円スプレッドを1日観測し、どの時間帯で広がりやすいのかを徹底検証。

見えてきたのは、
スプレッドは時間帯で大きく変動する」という現実でした。

取引コストを最小化するためにも、
FX初心者はもちろん、スキャルパーやデイトレーダーの方もぜひ参考にしてください。

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👉 固定スプレッドの“落とし穴”をもっと詳しく知りたい方はこちら
FXの固定スプレッドは本当に安い?ドル円スプレッドの“0.2銭”提示率の落とし穴

「スプレッド0.2銭原則固定」という広告文句の裏側や、
提示率によって実質コストがどう変わるのかを徹底解説しています。

“スプレッド0.2銭”は本当に固定?広告の数字を鵜呑みにできない理由

「スプレッド0.2銭!」
FXの広告で、こんなキャッチコピーを見たことがある人は多いでしょう。

「スプレッドが狭いほど取引コストは安くなる」というのはトレーダーの常識。
だからこそ、0.2銭という極小スプレッドは、魅力的に映ります。

ただし、この“0.2銭”という数字、実はそのまま鵜呑みにしてはいけません。

つまり、市場状況や時間帯によってスプレッドは常に変わる仕組みであり、
「0.2銭」というのは、あくまで最狭水準として提示される目安に過ぎません。

特に初心者は、「0.2銭」と書かれていると、どんなときでもそのスプレッドで取引できると誤解しがちです。
でも現実には、マーケットが荒れたときや早朝・深夜など流動性が薄い時間帯には、あっさりと0.3銭、0.5銭、あるいは10銭以上にまで広がってしまいます。

今回は、実際にGMOコインで1日を通してスプレッドを観測し、

  • どの時間帯に広がりやすいのか
  • 広がるとどれくらいになるのか

を、わかりやすく解説していきます。

FXのコスト構造を正しく理解し、「スプレッド0.2銭」という広告文句の裏にある現実を、一緒に覗いてみましょう。

FXスプレッドの基本|固定・変動・原則固定の違いとは?

FXでよく聞く「スプレッド」とは、
買値(Ask)と売値(Bid)の差額のことを指します。

例えば、ドル円の買値が144.456円、売値が144.446円の場合、
スプレッドは0.010円(=1銭)です。

この差額が狭ければ狭いほど、取引コストは安くなります。
逆にスプレッドが広いと、それだけで利益が削られてしまいます。

固定スプレッドとは?

固定スプレッドは、一定の幅でスプレッドを提示する方式です。
たとえば「ドル円0.2銭固定」とあれば、
市場状況に関わらず0.2銭で取引できることを意味します。

ただし、これは理論上の話
実際には完全固定ではなく、「原則固定」という形で提示される場合がほとんどです。

原則固定スプレッドとは?

原則固定とは、
「通常時はこのスプレッドで提示しますが、例外的に広がることもあります」
という意味です。

例えば、FX業者が「スプレッド0.2銭(原則固定)」と表示している場合、

  • 市場が安定しているとき → 0.2銭
  • 重要指標発表時や早朝 → 0.5銭、1銭、場合によっては数銭

と、例外的に広がる時間帯があることに注意が必要です。

さらに、「原則固定」の定義にはルールがあり、
金融庁が定める広告規制上、提示率が95%以上でないと固定表示できないという決まりもあります(詳細は後述)。

変動スプレッドとは?

変動スプレッドは、市場の流動性や取引状況に応じて常にスプレッドが変動する方式です。

たとえば、今回観測したGMOコインは変動スプレッド制を採用しており、
朝方や指標前後など流動性が低下する時間帯にはスプレッドが広がる傾向があります。

まとめ:スプレッド表示にはカラクリがある

このように、
一見同じ「0.2銭」表示でも、

  • 完全固定
  • 原則固定(例外で広がる)
  • 変動(常に変わる)

と仕組みが異なります。

次章では、実際にGMOコインで1日観測したスプレッド推移を、時間帯別に可視化して解説していきます。

実際のスプレッドを1日観測した|GMOコインのドル円スプレッド推移

では実際に、GMOコイン(変動スプレッド制)でドル円のスプレッドを1日観測した結果を見てみましょう。

ただし、今回の例は変動スプレッド制であるGMOコインのデータであり、「原則固定」を掲げる業者では、もう少し安定的に推移することが一般的です。

観測条件

  • 観測対象:GMOコイン(ドル円)
  • 観測期間:2025年6月27日(金)6:00 〜 6月28日(土)6:00
  • データ取得間隔:1分ごと

観測結果(スプレッド推移グラフ)

このグラフからわかるように、

  • 早朝(6:00〜9:00頃)
    スプレッドは0.09銭付近で推移し、一時的に0.1銭以上に拡大する場面もありました。
  • 東京時間開始後(9:00以降)
    スプレッドは一気に狭まり、0.02銭まで低下。
    このスケールではわかりにくいですが、時間帯によりスプレッドは広がっています。
  • 早朝(5:15~6:00)
    NYクローズ前後からスプレッドが再び広がり始め、6:00時点では再び0.09銭前後に戻っています。

スプレッド推移の実測結果|時間帯別に見る特徴

先ほどは24時間全体のスプレッド推移を紹介しましたが、
今回は早朝(広がりやすい時間帯)を除外し、日中の詳細を見てみましょう。

観測条件(再掲)

  • GMOコイン ドル円
  • 2025年6月27日(金)9:00 ~ 翌5:00
  • 1分間隔

日中のスプレッド推移グラフ

時間帯別の特徴

東京時間(9:00~15:00)
東京市場オープン直後は、アジアの投資家が取引に参加することもあり値動きも大きく、スプレッドが拡大する傾向にあります。
特に、「仲値(なかね)」が発表される9時55分前後は、値動きが活発になり取引量が増えることからスプレッドが大きく拡大する傾向があります。
仲根が決まって10時を過ぎると、スプレッドは再度落ち着いていきます。

ロンドン時間(16:00~21:00)
欧州の投資家が参加し始めることから、値動きも大きくなりスプレッドは拡大傾向にあります。
この日は、15:45にフランスの経済指標が発表されたことから値動きも大きくなり、スプレッドが拡大しています。

また、日本のFX市場では、この時間帯からサラリーマン投資家が本格参入してくるため、取引量が急増します。いわば業者にとっての“ゴールデンタイム”であり、24時頃まで続きます。
この時間帯には、業者も低いスプレッドを維持しつつ、瞬間的にスプレッドを広げて収益化を図る戦略を取ることがあります。

NY時間(22:00~翌3:00)
24時くらいまでは日本の個人投資家も活発に取引していますが、それ以降は取引量が激減。
実際、FX業者のディーラーもこの時間帯は比較的暇で、他業務と兼務しているケースが多いと言われます。
そのため、流動性が薄くなった深夜帯にはスプレッドが不安定になりやすい特徴があります。

ポイント

  • 日中でもスプレッドは完全に一定ではない
    特に指標発表や市場参加者の切り替わりタイミングには、一時的に広がる傾向があります。
  • 変動時間帯を知ることでコスト削減が可能
    スプレッド変動はランダムではなく、ある程度パターン化されています。
    仲値決定前後、欧州勢参入時、米指標発表時など、広がりやすい時間を避けるだけで、取引コストを大幅に抑えることができます
  • スキャルピングや短期トレードでは特に重要
    数銭の差が利益を左右する短期売買においては、スプレッド拡大時間帯を把握することが、安定収益のカギとなるでしょう。

まとめ|スプレッドは時間帯で変動することを忘れるな

今回は、GMOコイン(変動スプレッド制)でドル円のスプレッドを1日観測し、
時間帯ごとのスプレッド変動を分析してきました。

◆ ポイントを振り返る

✅ スプレッドは時間帯によって大きく変わる
✅ 流動性が低い早朝や深夜は広がりやすい
✅ 東京時間やロンドン時間でも、仲値決定や指標発表前後には瞬間的に拡大する

◆ 取引で意識すべきこと

  • スキャルピングや短期売買をするなら、スプレッド変動のパターンを知ることがコスト削減のカギとなります。
  • スプレッドの広がりやすい時間帯を避けるだけで、年間でみれば大きなコスト差につながるでしょう。

みんなのFXはいつでも低スプレッド

原則固定スプレッドの「みんなのFX」は低スプレッド安定です。

しかも、LIGFTペアなら、米ドル円のスプレッドが0.15銭と最狭水準なので試してみていいんじゃないかな。

🔧 おまけ|Pythonでスプレッドを自動取得してみよう

この記事を読んで、

「自分でもスプレッドの動きを観測してみたい!」

と思った方へ、Pythonを使った超簡単なデータ取得方法を紹介します。

◆ Google Colab で手軽にPython実行

Python環境がなくても、Google Colab を使えば、
ブラウザ上でそのままコードを動かせます。

  1. Google Colab にアクセス
  2. 新規ノートブックを作成
  3. 以下のコードを貼り付けて「▶」ボタンで実行
import requests
import time
from datetime import datetime

url = "https://forex-api.coin.z.com/public/v1/ticker"

while True:
    response = requests.get(url)
    data = response.json()

    if data["status"] == 0:
        for ticker in data["data"]:
            if ticker["symbol"] == "USD_JPY":
                now = datetime.now().strftime("%Y-%m-%d %H:%M:%S")
                bid = ticker["bid"]
                ask = ticker["ask"]
                print(f"{now} | USD/JPY | Bid: {bid} | Ask: {ask}")
                break
    else:
        print("API error")

    time.sleep(60)  # 1分ごとに取得

このコードでできること

✅ GMOコインのAPIからUSD/JPYのBid・Askを取得
✅ 1分ごとに最新レートを表示
✅ ログを保存すれば、スプレッド変動を後から振り返ることが可能

注意点

  • 実行はColab上で停止しない限り続くため、終了するときは「停止ボタン」を押してください。
  • 長時間取得する場合は、出力をテキストファイルに保存するなど工夫しましょう。

データを蓄積していけば、自分だけの「スプレッド変動データベース」を作れます。
取引時間帯を最適化するためにも、ぜひ活用してみてください。
よくわからない場合は、Xで聞いていただければ、可能な限り回答いたします。

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