FXの固定スプレッドは本当に安い?ドル円スプレッドの“0.2銭”提示率の落とし穴

CFD・FXリアル体験記

FX業者を選ぶとき、「スプレッド0.2銭原則固定」と書かれていると、つい安心してしまいませんか?
しかし、実際には同じ0.2銭でも業者によって取引コストが大きく違うことがあります。
本記事では、広告には載らない「提示率」という重要な指標と、その仕組みや業者比較を徹底解説。
「最狭スプレッド」だけで業者を選ぶと損するかもしれない理由を、ぜひ確認してください。

ドル円スプレッド「0.2銭=安い」は思い込み?

「スプレッド0.2銭原則固定」──FXの広告でよく目にするこのフレーズ。
確かに数字だけ見れば、業界最狭水準で「安い!」と感じる人が多いでしょう。

しかし、ここに大きな誤解があります。

そもそも「原則固定」という言葉には、
“常に0.2銭で取引できるわけではない”
という重要な前提が隠されています。

実際には広がる瞬間が非常に多い

たとえば、米ドル/円が0.2銭原則固定と広告されている業者でも、

  • 重要な経済指標発表の前後
  • 仲根が決まる午前9時55分前後
  • NYクローズ付近(夏時間5~6時頃)
  • 日本時間早朝の流動性が薄い時間

などでは、スプレッドが一気に1.0銭以上に広がることも珍しくありません。

広告は“最大の好条件”だけを強調している

広告で目立つのは「0.2銭」という数字だけ。
しかし、実際にそのスプレッドが提示される頻度(提示率)は業者によって大きく違い、結果としてあなたが支払う平均コストも変わってくるというわけです。

「提示率」で実質コストは大違い

FXのスプレッド比較で見落とされがちなのが、「提示率」という指標です。

たとえば、A社とB社が両方とも「米ドル/円 0.2銭原則固定」を広告していたとします。

しかし、実際に提示されている割合(提示率)が

  • A社:99.9%
  • B社:95%

だった場合、どうなるでしょうか。

提示率が低い業者は“肝心なとき”に広がる

提示率が低いということは、

  • 通常時は0.2銭を出していても、重要指標や値動きが激しいときに広げる

という運用をしている可能性が高いということです。

「原則固定」の定義と95%ルールとは?

FX業者の広告でよく見る「米ドル/円 0.2銭原則固定」という表現。

この「原則固定」という言葉には、実は金融先物取引業協会のガイドラインに基づく明確なルールがあります。

原則固定=95%以上の提示が必要

金融庁は、FX業者がスプレッドを広告する際に

  • 直近4週間(20営業日程度)の提示率が95%以上であること

を求めています。
つまり、広告に出すからには、ほとんどの時間帯でそのスプレッドを提示していなければなりません。

逆に言えば、5%は広げてもOK

ここで重要なのが、
残りの5%の時間帯はどれだけ広げても問題ない
という点です。

この5%には、

  • 重要経済指標の発表直前直後
  • 早朝やNYクローズ前後の流動性が薄い時間帯

といった、取引チャンスが多い時間が含まれることが多く、
結果として実際のコストは広告通りではないケースが多いのです。

「原則固定=完全固定」ではない

あくまで「ほとんどの時間は固定」というだけであって、
実際には“肝心なときに広がる”仕様であることを理解しておきましょう。

各社の提示率を比較してみた

ここまでで、スプレッドの「数字」だけでなく「提示率」が重要であることをお伝えしました。

では実際に、スプレッドが安定していて優秀な数社の提示率を比較してみましょう。

優良業者の提示率一覧

業者名米ドル/円スプレッド提示率(全時間帯平均)
GMOクリック証券0.2銭(原則固定)99.69%
GMO外貨0.2銭(原則固定)99.31%
みんなのFX0.2銭(原則固定)98.26%
DMM FX0.2銭(原則固定)99.36%

※データは各社公表値、公式サイトまたは提示実績より(2025年6月分、日中時間帯適用)。
※みんなのFXは通常ペアの数値を使用。

提示条件は95%以上ですが、これらの業者は99%近い提示率を誇っており、本当に原則固定の低スプレッドを提示していることがわかります。

提示率が低い業者がやりがちな“スプレッドトリック”

一方で、提示率が低めの業者には注意が必要です。

提示率95%でも広告は可能

金融先物取引業協会のルールでは、「原則固定」と広告するには過去4週間で95%以上提示していることが条件とされています。

つまり、提示率が95%の業者は、残り5%の時間帯は自由にスプレッドを広げられるということになります。

具体的に何をしているのか?

FX業者のスプレッドは、カバー先のスプレッドやボラティリティに応じてシステムが自動決定することが多く、提示率を守るために通常は保守的なスプレッド提示を行います。

しかし、その一方で、「広げられる時間帯は収益機会」と捉え、ギリギリまで広げる業者が存在するのも事実です。

これは単なる収益目的だけでなく、システムを使った高速スキャルピングを行う個人投資家へのリスク管理として、自衛的にスプレッドを広げざるを得ない側面もあります。

本記事では特定業者名は挙げませんが、提示率がギリギリの業者ではこのような運用が一般的であることは覚えておきましょう。

まとめ|スプレッドは“数字”だけではなく“頻度”でも選ぼう

FX業者選びでよく目にする「0.2銭原則固定」という広告。

しかし、実際には

  • 同じ0.2銭でも提示率で実質コストが大きく変わる
  • 「原則固定」には95%以上提示していればOKというルールがある
  • 残り5%の時間帯で大きく広げる業者もある

という現実があります。

本当に見るべきポイント

スプレッドの数字だけでなく、提示率も確認すること

提示率が高い業者ほど、取引チャンスでも安定している

提示率ギリギリの業者は、勝負どころで広げる傾向がある

結論

スプレッドは「数字」だけではなく「頻度」でも選ぶべきです。

広告の「最狭水準」だけに惑わされず、実際の提示率を調べて、安定して低コストで取引できる業者を選びましょう。

みんなのFXは提示率も高水準

ちなみに、今回比較した中ではみんなのFXも提示率98%超と高水準で、スキャルピングにも対応しています。

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