「多通貨スワップ戦略」を最新データでアップデートしました。
2026年2月26日時点の共分散行列とスワップ水準をもとに、証拠金50万円・100万円での最適ポジションを算出しています。
戦略の理論や構築手順の詳細は、以下の関連記事で解説しています:
🔹 FXスワップで「多通貨スワップ戦略」を構築する!元本回収と安定収益を目指す方法とは?
🔹 多通貨スワップ戦略にトルコリラ導入!エクセルファイルを使ったポジションの決め方も解説
本稿では、現在の相場環境でどの通貨組み合わせが最も効率的か──その結論をシンプルに紹介します。
分析条件と「多通貨スワップ戦略」の概要
本記事のシミュレーションは、2026年2月26日時点の最新データをもとに作成しています。
各通貨のスワップ水準やリスク(価格変動・相関)を反映し、「1年間のスワップ収益が投資元本を上回ること目指す」という条件のもとで多通貨スワップ戦略のポジションを最適化しました。
💡 多通貨スワップ戦略とは?
「多通貨スワップ戦略」とは、複数の通貨ペアを組み合わせてスワップ収入を積み上げ、
一定期間で投資元本を回収し、その後は自分の資金を減らさずにスワップ収益を得続けることを目指す手法です。
イメージとしては、
最初に投じた資金が1年ほどでスワップとして戻り、
その後もポジションを維持したまま収益が積み上がる──
単一の高スワップ通貨に集中すると大きな評価損を抱えるリスクがあるため、
本戦略では通貨分散(共分散を考慮したリスク低減)がカギとなります。
今回の分析は、この「多通貨スワップ戦略」を2026年1月の環境で再構築したものです。
※この記事のシミュレーションは、GMOクリック証券の取引条件を前提としており、
スワップ水準とポジション上限はGMOクリック証券に準拠しています。
トルコリラ円(TRY/JPY)のスワップ調整について
過去6か月間(2026年2月時点)で、トルコリラは対ドルで年率15%前後の下落トレンドがあります。
GMOクリック証券のTRY/JPYの買いスワップは26円(年率26%)ですが、為替下落分を控除して、実効利回り11円(年率11%)へ調整して計算しています。
売り通貨ペアの制約について
売りポジションの通貨ペアを米ドル円・ユーロ円・英ポンド円の3通貨ペアに限定しています。
過去には、ポーランドズロチ円やニュージーランドドル円なども売り対象として検討していましたが、
- 売買コストが相対的に高いこと
- 直近1年間の共分散では捉えにくい不規則な値動きが見られること
といった理由から、流動性が高く、特性が比較的安定しているメジャー3通貨ペアのみを採用しています。
証拠金50万円の最適ポジション
まずは、証拠金50万円での最適ポジションを見ていきましょう。
条件は「1年間のスワップ収益が元本(50万円)を上回ることを目指す」こと。
そのうえで、リスク(評価損益のブレ)が最小となる通貨の組み合わせを求めました。
証拠金50万円での最適ポジション

50万円ポートフォリオの特徴
- ハンガリーフォリント/円とトルコリラ/円がスワップ収益の柱。
高いスワップにより、スワップ獲得のエンジンとなります。 - ユーロ/円・米ドル/円ショートがリスク抑制に寄与。
ハンガリーフォリント円とトルコリラ円のリスクを抑制します。 - 結果的に、リターン約58万円/リスク約17万円/シャープ3.3超という非常に高効率なポートフォリオとなりました。
証拠金100万円の最適ポジション
次に、証拠金100万円での最適ポジションを見ていきましょう。
分析条件は50万円ケースと同様に「1年間のスワップ収益が元本を上回る」こと。
証拠金を倍にすると、ハンガリーフォリント円(HUF/JPY)とトルコリラ円(TRY/JPY)が上限に達するため、残余のリスク・収益配分は他通貨ペアでバランスを取ることが重要になります。
証拠金100万円での最適ポジション

100万円ポートフォリオの特徴
- ハンガリーフォリント/円とトルコリラ/円がスワップ収益の柱。
高いスワップにより、ポジション上限(HUF=1000万通貨、TRY=100万通貨)に到達。 - チェココルナ/円が追加的なスワップ向上に貢献。
- ユーロ/円・米ドル/円ショートがリスク抑制に寄与。
ハンガリーフォリント円とトルコリラ円のリスクを抑制します。 - 結果的に、リターン約100万円/リスク約30万円/シャープ3.3という非常に高効率なポートフォリオとなりました。
前月との比較では、ポジションはほとんど変わりません。
ユーロ/円のスワップが相対的に低下したことから、若干ユーロ/円の売りを増やして、米ドル/円の売りを減らしているところが、違いですね。
✨今月のアップデート:代用有価証券FXに対応
今月のエクセルファイルでは、TOPIXおよびS&P500を組み込んだ拡張計算機能を実装しています。
通常表示では多通貨スワップの最適化のみが見える設計ですが、シートの20〜24行目には、株式(代用有価証券)を加味したリスク計算機能を組み込んでいます(初期状態では非表示)。
行を再表示すると、TOPIX・S&P500を入力できるようになります。
株式を担保にFXポジションを持つ「代用有価証券FX」は、
効率的に見えても、株式と高金利通貨が同方向に動く局面ではリスクが集中する可能性があります。
今回の拡張機能では、その“見えにくい合算リスク”を可視化できる仕様にしています。
上級者向けの機能ですが、代用有価証券FXを検討している方はぜひ活用してください。

👉 代用有価証券FXについての詳細はこちら
代用有価証券とFXスワップ投資の最適化|リスク構造から検証する
📂 シミュレーションファイルのダウンロード
実際に本稿で使用したシミュレーションExcelを公開しています。
スワップ水準やレバレッジ、通貨ごとの上限を入力すれば、あなた自身の条件で同様の最適ポジションを計算できます。
※このシートは学習用サンプルです。実際の投資成果を保証するものではありません。
※スワップポイントはGMOクリック証券(2026年2月26日時点)に基づいています。
※開くときに「コンテンツの有効化」をクリックすると、最新レートが自動取得されます。
👉👉エクセルファイルの具体的な使い方については、以下の記事も参考にしてください。
多通貨スワップ戦略にトルコリラ導入!Excelソルバーを使ったポジションの決め方も解説
まとめ
今回の検証では、2026年2月時点の最新スワップ水準と為替データに基づき、多通貨スワップ戦略の最適ポジションを再構築しました。
結果として、ハンガリーフォリント円を中心に据えつつ、トルコリラ円を加えることでスワップ収益を高め、同時に分散効果によってリスクを抑えることが可能であると確認できました。
多通貨スワップ戦略の本質は、単一通貨に依存せず、「高スワップ × 分散 × リスク最小化」を同時に実現する点にあります。
市場環境や金利差が変動しても、最新データに基づいて、ポジションを見直すことで、この戦略は長期的にも有効性を保てます。
多通貨スワップ戦略を行うGMOクリック証券の口座開設が必要
多通貨スワップ戦略ができるかどうかは、業者選びで決まります。
GMOクリック証券は、今回の検証でも見たとおり「フォリント円スワップの高さ」で他社を圧倒。
せっかく戦略を知っても、スワップが低い業者では再現できません。
👉 GMOクリック証券の詳細はこちら
代用有価証券で多通貨スワップ運用するなら
代用有価証券を活用してFXで多通貨スワップを組むのであれば、通貨ペアの豊富さや建玉管理のしやすさは重要です。
今回のように、
- 対円高金利通貨を複数持ち
- 売りポジションも組み合わせ
- 為替エクスポージャーを調整する
といった運用を行うには、主要な対円通貨を幅広く取り扱っている環境が前提になります。
その点で、DMM FXは多通貨でのスワップ戦略を設計するうえで使いやすい選択肢のひとつです。
取引コストが比較的抑えられており、建玉の管理もしやすいため、今回のような「構造を設計する運用」と相性の良い環境だと感じています。
代用有価証券を活用したスワップ投資を検討している方は、一度公式サイトを確認してみてもよいかもしれません。


コメント
はじめまして。
いつも記事を楽しく読ませていただいています。よく研究された専門的なアプローチがとても面白いです。
リスク額について疑問が出ましたので質問です。
証拠金50万でのリスク額がおよそ17万円になっていますが、共分散の考えは正しいでしょうか?Excelの表にまとめられているのは、2種類の通貨を持った場合は正しいと思うのですが、3つ以上の通貨の場合だと数学的に正しいか疑問です。
共分散は偏差の積の平均ですから、2つの通貨の共分散をまとめた表からだけでは、3種類以上の通貨のリスクを計算できないのではないでしょうか?
試しに、全ポジションの総額の前日差を同じ期間1年分まとめ、その標準偏差を計算すると55438となりました。データ取得日数が244日ですので、リスク額は865976になりました。前日比(%)の標準偏差は0.0063でリスクはおよそ9.9%となりました。
統計の専門というわけではありませんので、私の方が間違っている可能性が高いのですが、どうしても気になったので質問してみました。
コメントありがとうございます。
また、記事を読んでいただきとても嬉しいです。
ご指摘の「共分散」の点ですが、結論から言うと、この記事の計算では3通貨以上の場合でも共分散を考慮しています。
ポートフォリオの分散は、
ポートフォリオの分散 = w’ Σ w
(w:ポジションサイズ、Σ:共分散行列)
という形で、各通貨ペアの相互の相関を含めた共分散行列を使って計算しています。
そのため、3通貨以上でも数学的には問題なくリスクを算出できます。
コメントで書かれているように、ポジション全体の実現リターン(前日差)から標準偏差を計算してリスクを求める方法でも、ポートフォリオのリスク量は推定できます。
これは共分散行列を使う方法とはアプローチが違うだけで、考え方としては同じリスクを測っています。
一方で、ご提示いただいた1日リスク9.9%という数値は、実際のポジションサイズから発生する損益の感覚と比べるとやや大きい印象もありますので、
どこかの計算過程で差が出ているのかもしれません。
いずれにしても、とても鋭い視点のコメントで、読んでいて嬉しくなりました。
またお気づきの点があればぜひコメントいただければと思います。
回答ありがとうございます。
アプローチの仕方が違うだけで考え方が同じなのは承知しています。もう一度計算しなおしてみます。
リスクを減らして儲ける方法を考えていて、ヘッジする方法を思いつきました。他にやっている人がいるのか探していてココに辿り着きました。そしてこんなに高いレベルで研究している方がいてビックリです。
統計は、本質を理解しないまま誤った解釈をしている方が多いと感じますが、C絵筆ちゃんの記事はそれがなく(私のレベルでは見つけられない)、素晴らしすぎて感動します。
勝手に師匠と思っておくことにします。