スワップ投資家にとって待望のニュースが舞い込みました。
「みんなのFX」と「LIGHT FX」が、ついに スイスフラン/トルコリラ(CHF/TRY) をはじめとした“超低金利×超高金利”ペアの取り扱いをスタートしたのです。
しかも公式アナウンスには「みんなのFX史上最高のスワップポイントを受け取れる」との文言。
スワップ派からすれば見逃せないフレーズですが、ここで気になるのは 「では、いくら付けば高いと言えるのか?」 という点です。
本記事では、
- 海外業者の実績
- 政策金利差からの理論値
- 国内業者の既存スワップからの逆算
この3つの視点から、CHF/TRYの「適正スワップ水準」を検証します。
本記事ではCHF/TRYに絞って解説していますが、スワップ投資をより理解するには基礎知識や他の通貨ペアの考え方も重要です。合わせてこちらの記事もぜひご覧ください。
みんなのFXから史上最高のスワップポイント登場?
FX業界にちょっとしたニュースが飛び込んできました。
「みんなのFX」と「LIGHT FX」が、新たに スイスフラン(CHF)/トルコリラ(TRY) をはじめ、CHF/ZAR、CHF/MXNといった“超低金利のスイスフラン × 高金利通貨”の組み合わせを取り扱い始めるのです。

そしてお知らせには、なんとも気になる一文がありました。
「みんなのFX史上最高のスワップポイントを受け取ることが可能」
これは、日々のスワップポイントを追いかけているスワップ投資家にとって、見過ごせないフレーズです。スワップ投資を愛する我々からすれば「どのくらい付くんだ!?」と期待が膨らみます。
しかし、ここで疑問が湧きます。仮に「スイスフラン/トルコリラの売り」で 1万通貨あたり1,000円 のスワップが提示されたとしましょう。確かに国内では未体験の高水準であり「史上最高」と言えるかもしれません。
でも、それは本当に高いのでしょうか?
比較対象がなければ、1,000円が高いのか低いのか判断できません。
そこで本記事では、「スイスフラン/トルコリラのスワップポイントの適正水準」 を探るために、2つの方法を使って検証していきます。
そもそもスイスフラン/トルコリラってどんな通貨ペア?
まずは今回の主役「スイスフラン/トルコリラ(CHF/TRY)」がどういう通貨ペアなのかを整理しておきましょう。
スイスフランといえば「世界最強の安全通貨」として知られています。政策金利はゼロ近辺で推移し、伝統的に低金利。市場がリスクオフのときには資金が流れ込みやすい通貨です。つまり、持っていても金利収入はほとんど期待できない一方、値動きの安定性や信用力の高さで買われる通貨です。
一方のトルコリラは、まさに真逆の存在です。
2025年9月現在、政策金利は 43%。世界でも屈指の高金利通貨であり、キャリートレードの代名詞と言ってもいいでしょう。ただし、通貨価値は過去に長期的な下落トレンドを歩んできた歴史があり、「高金利だけど値下がりリスクが大きい」点が最大の特徴です。
この2つを組み合わせた「CHF/TRY」は、超低金利通貨を売って超高金利通貨を買うという、いわばスワップ投資家にとって夢のような組み合わせです。
理論上は日々のスワップが非常に大きくなるため、スワップ派にとって注目度は抜群。
ただし注意点もあります。トルコリラは値動きが荒く、短期間で数%の下落が起きることも珍しくありません。スワップで得られる利息を上回る価格変動リスクがあるため、「高スワップ=安全」ではないことを理解しておく必要があります。
この「高金利と高リスクの両刃の剣」こそが、CHF/TRYの魅力であり難しさなのです。
そして実際の値動きを見てみましょう。以下は過去1年の スイスフラン/トルコリラ(CHF/TRY) のチャートです。

2024年秋ごろは1CHF=39TRY台まで下落していましたが、その後はじわじわとトルコリラ安(CHF高)が進み、現在は52TRY近辺まで上昇しています。
つまり、スワップは非常に大きい一方で、通貨自体はこのように トルコリラ安トレンドが続いている というのが現実です。スワップ投資家にとっては「金利収入と為替損益のどちらが勝つか」の勝負になることが、チャートからもはっきりわかります。
スイスフラン/トルコリラのスワップの適正水準を知る方法
本題である「スイスフラン/トルコリラのスワップポイントはどのくらいが妥当なのか?」を探っていきましょう。ここでは大きく2つのアプローチを紹介します。
方法①:海外業者の実績と比較する
国内では取り扱いが始まったばかりのCHF/TRYですが、海外ではすでに取引可能な業者があります。代表的なのがサクソバンク証券やIG証券です。
特にサクソバンクは、公式ホームページで「スワップカレンダー」を公開しているので、誰でも最新のスワップ水準を確認できます。上記のリンクからスワップカレンダーにいって、左のリストから「CHF/TRY」を選択してください。

直近のデータ(2025年9月5日時点)では、CHF/TRYの売りポジションで 1万通貨あたり1,792円/日 のスワップがついていました。

この数字を見ると、「仮にみんなのFXで1,000円が提示された場合、それは確かに史上最高かもしれないが、海外業者と比べるとまだ低い」ということがわかります。つまり、比較基準を持つことで相対的な評価ができるわけです。
方法②:政策金利差から理論値を計算する
次に、金利差を使った理論的な計算をしてみます。
前提条件
- トルコ政策金利:43%
- スイス政策金利:0%
- 金利差:43%
- CHF/JPY レート:184円
- ポジション:CHF/TRYを 1万通貨売り(=1万CHFをショートし、TRYをロング)
計算手順
① 建玉金額(円換算)
1万CHF × 184円 = 1,840,000円
② 金利差による年間スワップ
1,840,000円 × 43% = 791,200円
③ 1日あたりのスワップ
791,200 ÷ 365 ≈ 2,168円/日
結果
CHF/TRYを1万通貨売った場合、理論的には 2,168円/日 のスワップポイントが発生します。
2,000円を超えるなら、これは確かにインパクトのある水準かもしれません。
※政策金利差とスワップポイントは乖離します
- 実際のスワップは政策金利ではなく銀行間の取引金利で決まり、
- さらに業者マージン、営業政策などでブレます。
- なので理論値は上限目安、実際はこれより低めになりがち。
方法③:既存のスワップ実績から逆算する
実際には、各国の政策金利差だけでなく、業者の資金調達コストやトルコリラの流動性不足によって、提示されるスワップは理論値より低くなることが多いです。
そこで、現行で最も高スワップを提示している GMOクリック証券 のTRY/JPYとCHF/JPYのスワップ実績をもとに、CHF/TRYの理論スワップを逆算してみました。
計算結果(2025年9月5日時点)は以下の通りです。
- TRY/JPY(買い):+37円/日(1万通貨あたり)
- CHF/JPY(売り):-7円/日(1万通貨あたり)
- これを組み合わせてCHF/TRY 1万通貨分に換算すると、
→ +1,925円/日
つまり、GMOクリックのスワップ実績をベースに考えれば、CHF/TRYの妥当水準は およそ1,900円前後 ということになります。
まとめ:みんなのFXはどこまで攻めるか?
ここまで「スイスフラン/トルコリラ(CHF/TRY)のスワップポイント適正水準」を、3つの角度から検証してきました。
- 海外実績(サクソバンク):+1,792円/日
- 理論値(政策金利差ベース):+2,168円/日
- 国内逆算値(GMOクリックTRYJPY・CHFJPYベース):+1,925円/日
この結果を踏まえると、CHF/TRYのスワップポイントはおおよそ1,700〜2,000円前後が妥当な水準と考えられます。
「みんなのFX」は大々的に「(会社)史上最高のスワップ」と打ち出していますし、GMOクリックの逆算値を上回る2,000円に近い水準を期待したいものです。
ただし、忘れてはいけないのが スプレッドの影響 です。
仮にスワップが2,000円でも、スプレッドが広ければ、実際にポジションを建ててから利益が出るまでに相当な時間がかかります。短期ではスワップ収入がスプレッドに飲み込まれ、トータルで赤字になる可能性すらあります。
つまり本当の意味で「お得かどうか」を判断するには、
- スワップ水準
- スプレッドの広さ
- トルコリラの値動きリスク
この3点をセットで確認する必要があります。
とはいえ、国内業者がCHF/TRYという超高金利通貨ペアを解禁したことは大ニュース。
みんなのFXが「スワップとスプレッドの両面」でどこまで攻めてくるのか、非常に楽しみですね。
みんなのFXでCHF/TRYのスワップを体感しよう
ここまで見てきたように、スイスフラン/トルコリラ(CHF/TRY)のスワップは 1,800〜2,000円前後が妥当水準 です。
みんなのFXがうたう「史上最高スワップ」が、果たしてどの水準で登場するのか──これはスワップ派にとって見逃せないイベントです。
しかも、みんなのFXは 取引コストの安さ・ツールの使いやすさ でも定評があり、スワップ投資をするなら口座を持っておいて損はありません。
特に今回のCHF/TRYのような“新通貨ペアの解禁”は、早めに口座を開設しておかないとチャンスを逃す可能性もあります。
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