「スワップ投資=高金利通貨を買うもの」──そんな常識、そろそろ見直してもいいかもしれません。
実はいま、高スワップを“売りポジション”で受け取るという、ちょっと意外な戦略が密かに注目されています。
それが、米ドル/トルコリラ(USD/TRY)の売りです。
え?「売り」なのにスワップがもらえるの?と思ったあなた。
実はこれ、トルコの超高金利と独特な為替政策が生んだ、今だけの“異常に安定した”スワップ戦略なんです。
この記事では、「USD/TRYの売り」がなぜ最強なのか、クローリングペッグの仕組みから、スワップ込みリターンの驚きの実績、リスクの解説、自作のやり方まで、やさしく丁寧に解説していきます。
スワップ投資のしくみや業者ごとの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています👇
▶️ スワップ派は死んでなかった!負けても勝てるFXキャリートレード戦略の真実
▶️ FXのスワップポイントはどう決まる? 仕組み・業者差・カラクリを徹底解説
▶️ GMO外貨・GMOクリックのスワップはなぜ高い?実勢を超える“ハラキリスワップ”の真相と使い方
FXでスワップを狙うなら見逃せない通貨ペア|米ドル/トルコリラ(USD/TRY)の魅力とは
スワップ投資といえば、多くの人が「高金利通貨を買う」というイメージを持っています。たとえば、メキシコペソや南アフリカランドを買って、スワップ金利をもらいながら長期保有する…そんなスタイルが一般的ですよね。
でも、実はもっと“美味しい”選択肢があるかもしれません。
それが、米ドル/トルコリラ(USD/TRY)の“売り”ポジションなんです。
え、スワップ貰うのに売るの??
米ドル/トルコリラとは何か?
まず、米ドル/トルコリラとは「米ドルを買って、トルコリラを売る」ポジションのこと。
これを売るということは、「トルコリラを買って、米ドルを売る」取引になります。
つまり、トルコリラ/米ドルのロング(買い)を意味します。
なお、USD/TRYという通貨ペアはすべてのFX業者で取り扱っているわけではありません。
現時点での主要な取扱業者は、サクソバンク、IG証券、外為どっとコムの3社です。
⚠ スワップポイントの水準は業者によって大きく異なる
USD/TRYの売りスワップは、業者によって数百円単位で差が出るため、注意が必要です。
以下は、2025年7月30日時点での比較(1万通貨あたり)です。
業者 | USD/TRY 売りスワップ(7月30日時点) | 特徴 |
---|---|---|
サクソバンク | 1,279円 | 高水準・安定的 |
IG証券 | 1,235円 | 機関系でも実績あり |
外為どっとコム | 993円(キャンペーン込みで1,265円) | 一時的な増額中 |
同じポジションを取っても、業者を変えるだけで1日あたり300円以上の差が生じる場合があります。
スワップ狙いの運用では、こうした「業者選び」こそが収益のカギになります。
✅ サクソバンクはスワップ派の有力候補
高水準スワップに加えて、多機能なプラットフォームも評価されているサクソバンクは、USD/TRY戦略との相性が抜群です。
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売りポジションでスワップを得るという逆転発想
普通は「高金利通貨=買うもの」と思いがちですが、
実はこのUSD/TRYペアでは、“売る”ことで毎日スワップ金利がもらえるのです。
その理由は簡単で、
- トルコの政策金利は43%の超高金利
- 米ドルの金利は4.5%前後
- この差(38.5%)がスワップポイントとして受け取れる
という構図になっているためです。
つまり、「USD/TRYを売る」=「高金利のトルコリラを買って、低金利の米ドルを売る」
このポジションで毎日しっかりとスワップが“もらえる”側になるわけです。
普通のFXとは逆の発想ですよね。でも、これが今の市場環境では非常に有効なのです。
なぜトルコリラはじわじわ下がる?為替政策“クローリングペッグ”をFX目線で解説
トルコリラ(TRY)の対米ドルレートを見て、「ずーっと下がってるな」と思った方も多いのではないでしょうか?
それ、実は偶然ではありません。トルコ政府が採用しているとみられる為替政策が背景にあるのです。
その名も「クローリングペッグ(Crawling Peg)」。
クローリングペッグとは?
クローリングペッグとは、ざっくり言えば…
為替レートを緩やかに一定の方向に動かす“ゆるやかな固定相場制”です。
通常の固定相場制(ペッグ制)では、為替レートを特定の水準に「ピタッ」と張り付けて維持します。
たとえば、サウジアラビアのリヤルなどが代表的ですね。
一方で、クローリングペッグでは…
- 日々 or 月次で少しずつ目標レートを変更
- 実際の為替レートもそれに沿ってゆるやかに推移
- 自国のインフレ率に応じて同率で切り下げられることが多い
という特徴があります。
トルコがこの政策を選んでいる理由
トルコ政府(特に中銀と財務省)は過去に、通貨防衛のために大規模なドル売り・リラ買いの介入を繰り返してきました。
その結果、市場に大きなゆがみが生じ、投機筋との衝突を繰り返してきた歴史があります。
しかし、2023年以降は方針転換(公言はしていないが)が進み、
- ドルに対してリラ安を容認する代わりに
- 急激な下落は避けて、ゆるやかなトレンドを形成
という形に移行しました。
これはまさに「クローリングペッグ」そのもの。
為替が乱高下せず、じわじわ下落することが、
スワップ派にとっては非常に都合がいいわけです。
安定しているからこそ、スワップが効いてくる
トルコリラは毎年じわじわと米ドルに対して価値を失っていきます。
しかし、そのスピードがコントロールされていることで、
- 想定外の暴落によるロスカットの心配が少なく
- スワップによる利益の積み上げが確実に効いてくる
という状況が生まれています。
FXチャートで見るトルコリラ安の安定性|TRY/USDの値動き分析
言葉で「クローリングペッグでじわじわ下がっている」と言われても、
実際にどんな値動きなのかピンとこない方もいるかもしれません。
そこで、まずはTRY/USD(トルコリラ/米ドル)のチャートを見てみましょう👇

見事に「じわじわ右肩下がり」
ご覧のとおり、2022年以降のトルコリラは米ドルに対して安定して下落しています。
ときおり短期的な戻りはあるものの、基本的には
大きな暴落も、大きな急騰もない
⇒ まさに「安定的なリラ安」
という値動きです。
じつは、これが“理想的なスワップ環境”!
一般的にFXスワップ投資で困るのは、
- 相場が急落してロスカットになる
- 一時的なボラティリティでポジションを振り回される
といった急激な為替変動です。
ですが、TRY/USDのように、
- 毎週ほぼ一定ペースでトルコリラが安くなる
- しかも予測不能な乱高下がない
という状態は、スワップ投資にとって最高の環境なんです。
注意:USD/TRYではなく、TRY/USDで見る理由
本記事では「USD/TRY(米ドル/トルコリラ)を“売る”」というポジションをおすすめしていますが、
値動きをわかりやすく見るために、逆のTRY/USD(トルコリラ/米ドル)チャートを使用しています。
- USD/TRYの“売り” ≒ TRY/USDの“買い”
- 実質的に同じポジション構造を表しています
「TRY/USDが下落している」ということは、
「USD/TRYが上昇している」=リラが安くなっているという意味です。
⚠️ごくまれに「ドカン」と下がることもあるので注意!
基本的にはじわじわと右肩下がりのトルコリラですが、まれに政治リスクによって瞬間的に大きく下落することもあります。
実際、2024年3月19日には、エルドアン大統領が対立候補であるイスタンブール市長を拘束したというニュースが入り、TRY/USDは一瞬で大きく値を下げました👇

こうした突発的な政治ニュースは予測が難しく、急落リスクとして常に意識しておく必要があります。
「じわじわ下がる」からといって油断せず、証拠金には余裕を持ち、リスク管理を徹底することが大切です。
為替損よりスワップ益が上回る!トルコリラ戦略の驚異的リターンとは?
先ほど確認した通り、トルコリラは米ドルに対してじわじわと下落を続けています。
普通に考えれば、そんな通貨を買うなんて損するだけ……と思いますよね。
でも、その「価格下落」をスワップが完全に上回っていたらどうでしょう?
実際のデータをご覧ください👇
こちらは、USD/TRYの売りポジション(≒TRY/USDの買い)について、
2022年以降のスワップ込みのトータルリターンを示したグラフです。
- 灰色線:為替だけの損益(TRY/USDの下落=損失)
- 青線:為替+スワップ収益の合算(トータルのパフォーマンス)

スワップが為替損を完全に補って、なお上回っている!
この図から見て取れるのは、
2023年の中盤以降、スワップ収益が為替損失を上回る構造に入った
= 保有しているだけで利益が積み上がる状態
になっているということです。
言い換えれば、
「相場がじわじわ下がっても、スワップでそれ以上に儲かってしまう」
という、ちょっと信じがたい環境が現実に起きているのです。
年率リターン+24.5%、リスク4.6%、シャープレシオ5.3
統計的に見ても、この戦略のパフォーマンスは異常なレベルです。
- ✅ 2024年以降の年率換算リターン:+24.5%
- ✅ ボラティリティ(年率リスク):4.6%
- ✅ シャープレシオ:5.3
※FREDのデータをもとにC絵筆ちゃんによるバックテストデータ(2024年1月~2025年6月)
※参考:一般的にシャープレシオが
・0.5超なら合格
・1.0超で超優秀
・2.0超なんてありえない
・5.0超はもはや異常
という基準で評価されます。
5.3という数値は、投資の世界ではちょっと信じられない安定性なんです。
なぜこんな“おいしい状態”が成立しているのか?
それはやはり、
- トルコの超高金利(政策金利40%超)
- クローリングペッグによる「緩やかな下落トレンド」
- 為替のボラティリティが非常に小さい(=安定)
この3つの条件が奇跡的に揃っているからにほかなりません。
「通貨が下がってるのに儲かる」
そんな一見矛盾した状態が、スワップ収益によって現実化しているのが、
この「USD/TRYの売り」戦略なのです。
トルコリラFXスワップ戦略の注意点|金利・為替・業者選びに潜むリスク
ここまで見てきた「米ドル/トルコリラの売り」戦略は、
スワップ派にとってまさに夢のような取引に見えるかもしれません。
でも当然ながら、ノーリスク・ノーリターンの世界は存在しません。
この戦略にもいくつかのリスクがあります。
ここでは、実際に想定されるリスクと、それへの対処法を整理しておきましょう。
リスク①:トルコの利下げによるスワップ縮小
最大のリスクは、トルコの政策金利が下がることです。
現在の高スワップ環境は、トルコ中銀の高金利政策が支えています。
しかしインフレが落ち着いたり、政権の意向で方針転換があれば、金利は一気に引き下げられる可能性もあります。
✅ 金利が下がる → スワップ収益も減る → 価格下落を補えなくなる
→ 最悪の場合、「為替損だけ残る」リスクに
リスク②:クローリングペッグが崩れる可能性
トルコが採用しているとされる「クローリングペッグ」は、
あくまで事実上の運用であり、公式な制度ではありません。
突如として、
- 政治情勢の変化(政権交代など)
- 外貨準備の枯渇
- 国際収支の急悪化
などをきっかけに、リラ安が急激に進む可能性も否定できません。
つまり「じわじわ下がる」はずだったのに、いきなりドカンと下がる危険性があるということです。
リスク③:取引コストと流動性
USD/TRYはマイナー通貨ペアであり、取り扱う業者が限られています。
そのため、
- スプレッドが広い
- 取引量が少ない
- 価格が荒れやすい時間帯がある
といった問題もあります。
また、スワップポイントが業者によって大きく異なることも要注意。
思ったほどスワップが付かないケースもあるので、業者選びは超重要です。
USD/TRYを取り扱っていないFX業者でもOK!スワップ戦略の自作方法を紹介
「米ドル/トルコリラ(USD/TRY)って、面白そう!でも…うちのFX業者、取り扱ってないんだけど?」
という方もご安心を。
じつはこの通貨ペア、ある工夫をすれば簡単に“自作”できます。
USD/TRYの「売り」ってどういうポジション?
まず復習です。
- USD/TRYを“売る”=米ドルを売ってトルコリラを買う
- これはTRY/USDを“買う”のと同じ意味
つまり、円を介して「トルコリラ買い・米ドル売り」を同時に作ればOKということ。
どうやって自作するの?
必要なのは以下の2つのポジションです:
ポジション | 通貨ペア | 方向 | 目的 |
---|---|---|---|
① | TRY/JPY | 買い | トルコリラを買う |
② | USD/JPY | 売り | 米ドルを売る |
これで完成です。
ポジションのバランスをどう取る?
ここがちょっとしたコツですが、
トルコリラの取引量は米ドルの約40分の1にするのが目安です。
なぜなら…
- 1トルコリラ ≒ 3.6円
- 1米ドル ≒ 148円
→ 148 ÷ 3.6 ≒ 41倍
という価格差があるためです。
✅ 具体例で見てみましょう
たとえば以下のようなポジションを取れば、
ほぼUSD/TRY売りと同じポジションが完成します。
- TRY/JPYを 40,000通貨 買い(3.6円 × 40,000 = 約144,000円)
- USD/JPYを 1,000通貨 売り(148円 × 1,000 = 約148,000円)
どちらも円換算でほぼ同額のポジションになります。
つまり、円を介して「トルコリラ買い・米ドル売り」を実現できているというわけです。
自作のメリットと注意点
✅ メリット:
- どのFX業者でも実現可能(TRY/JPYとUSD/JPYがあればOK)
- ポジションの調整が柔軟にできる
⚠️ 注意点:
- 2つのポジションを同時に管理する必要がある
- スワップポイントも2つに分かれて付く(合算して確認を)
- 証拠金が2通貨ペア分必要になる
「通貨ペアがないからできない…」とあきらめる必要はありません。
少し工夫するだけで、誰でもこの戦略を再現できるのです。
まとめ|トルコリラ売り×FXスワップで稼ぐ新時代の戦略とは?
「高金利通貨は買って寝かせる」──そんなスワップ投資の常識が変わりつつあります。
いま注目されているのが、米ドル/トルコリラ(USD/TRY)の“売り”という逆転の戦略です。
超高金利のトルコリラを買い、米ドルを売ることで、日々スワップを受け取りながら、クローリングペッグによる緩やかな下落トレンドの恩恵も受けられます。
実際に、2024年の年率リターンは+24.5%、リスク4.6%という異例の安定性を記録しています。
業者によってはUSD/TRYを取り扱っていない場合もありますが、TRY/JPYの買いとUSD/JPYの売りを組み合わせれば、自作も可能。
“買って待つ”だけではない、“売ってもスワップがもらえる”戦略──
この機会に、あなたのスワップ投資スタイルをアップデートしてみてはいかがでしょうか?
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