「年利8%以上の高配当ETFで安定収入を得たい!」
そう思って楽天証券でETFを探している方も多いのではないでしょうか。
確かに、楽天証券では海外ETFを中心に高配当銘柄が豊富にラインナップされています。
しかし──
高配当ETFには、“分配金の裏に潜むリスク”があることをご存知ですか?
ハイイールド債ETF、モーゲージREIT ETF、高配当株ETF…。
年利8%超という魅力的な利回りの陰には、
✔️ 元本下落リスク
✔️ デフォルトリスク
✔️ 金利上昇リスク
など、通常の株式投資とは異なる癖の強いリスクが隠れています。
この記事では、楽天証券で購入可能な年率8%以上の高配当ETFを厳選して紹介するとともに、
投資初心者が見落としがちな「高配当ETFの本当のリスク」を徹底解説します。
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楽天証券で買える高配当の海外ETFとは?
最近、資産形成の手段として「高分配投信」や「高配当ETF」への関心が高まっています。
しかし、高配当ETFとひとことで言っても種類はさまざま。特に年率8%以上の利回りをうたう商品には、仕組みが複雑だったり、リターンを犠牲にして分配金をひねり出していたりと、注意すべき点も多いのが実情です。
楽天証券は海外ETFの取り扱い銘柄を増やしており、国内ETFでは実現できないような高利回りの商品にも投資が可能になっています。ただし、高配当だからといって飛びつくと、思わぬリスクや期待外れの結果になることもあるため、商品の仕組みやリスクをよく理解して選ぶことが大切です。
この記事では、楽天証券で購入可能な利回り8%以上の高配当ETFを厳選してご紹介するとともに、それぞれの特徴や注意点についてもわかりやすく解説していきます。
年率8%以上の高配当の海外ETF一覧(カバードコール除く)と注意点
以下は、楽天証券で取り扱いのある直近分配金ベースで年率8%以上の海外ETF(カバードコール除く)です。
ETF名 | ティッカー | 利回り | 投資対象 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ファンド | HYG | 約8.2% | 米ドル建ハイイールド社債 | 格付けが低い債券中心。デフォルトリスクと為替リスクに注意 |
iシェアーズ・モーゲージ不動産ETF | REM | 約9.6% | 米国モーゲージREIT | レバレッジ型REITで、金利上昇局面に弱い |
Global X スーパーディビデンド世界株式ETF | SDIV | 約11.1% | 全世界高配当株 | 高配当株に集中投資するため、価格変動リスクが大きい |
※利回りは2025年7月時点の概算値です。
高配当ETF選びの特徴と注意点
ハイイールド債ETF(iShares iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ファンド / HYG)
1. 信用リスク(デフォルトリスク)が高い
- HYGは格付けBB以下(ジャンク債)の社債に投資するため、発行体の破綻リスクが常につきまとう商品です。
- 特に景気後退局面では、デフォルト率上昇によってファンド価格が大きく下落する可能性があります 。
- 下グラフのように、デフォルト率は0%近辺から10%超に急激に上昇します。つまり、ETFの保有する債券の10%超が紙くずになるリスクがあるということです。

2. 利回りは高く見えても、トータルリターンは限定的
- 例えばHYGの分配利回りは5~7%程度ありますが、過去10年の年率リターンは4%台前半にとどまります。
- つまり、高利回り分を差し引いた価格下落があるため、「利回り=リターン」ではない点に注意が必要です 。
3. 金利上昇局面ではダブルパンチ
- ハイイールド債はデュレーション(価格変動性)もあるため、金利が上昇すると価格下落+利回り拡大による信用スプレッド拡大で二重にダメージを受けます。
- 特に残存年数が5年程度あるため、短期金利だけでなく長期金利上昇にも影響を受けます。
4. 景気悪化に弱いアセットクラス
- HYGの構成銘柄は景気循環に敏感な企業が多く、景気後退局面では信用スプレッドが急拡大し、債券価格が急落する傾向があります。
- 2020年コロナショックでは、1か月で−20%近く下落した事例もあります 。

モーゲージREIT ETF(iShares モーゲージ不動産ETF / REM)
1. 金利変動に超敏感
- モーゲージREITは借入レバレッジでMBS(モーゲージ担保証券)に投資するビジネスモデルのため、金利上昇局面では調達コスト増加+資産価格下落でダブルパンチを受けます。
- 特に短期金利が上昇すると、利ざや(Net Interest Margin)が急縮小し、配当減や株価下落を招きます 。
2. 高配当の裏には高リスク
- REMの分配利回りは10%超と魅力的ですが、これはレバレッジを多用したビジネスモデルのリスクプレミアム。
- コロナショック時にはREM価格は約半分に急落し、その後も回復が鈍く、値上がり益はほとんど期待できません 。
3. トータルリターンは低迷傾向
- 高配当にもかかわらず、設定来の年率リターンは4%程度にとどまり、株価下落で配当の多くが相殺されています。
- 「毎月配当をくれるが、元本は減っていく罠ETF」という評価されることが多いです 。
4. 信用リスク・流動性リスク
- MBS市場が混乱すると、モーゲージREITが資金繰りに行き詰まり、減配・倒産する可能性もゼロではありません。
- 特に借入コスト上昇や住宅ローン延滞率上昇局面では注意が必要です。

高配当株ETF(Global X スーパーディビデンド世界株式ETF / SDIV)
1. 高配当は“罠”かも
- SDIVは世界の高配当利回り上位100銘柄に均等投資しますが、その中には財務が不安定な“割高配当”企業も含まれます。「高利回りを追うと、質の低い企業に投資するリスク」が指摘されています
- SDIVの設立来の株価は75ドル→22ドルと約70%暴落し、配当で元本を食いつぶしている状態です 。
2.トータルリターンがイマイチ
- 設定来の基準価額は下がり続けており、配当を出すためなら価格が下がるのを厭わない方針のようです。
- 総合リターンを重視するなら、むしろS&P500などのほうが成果が良いでしょう。
3.ボラティリティが高い
- Morningstarによれば、リスク調整後のパフォーマンスは平均以下で、シャープレシオも低調 。
- 高配当銘柄には金融・公益などセクター偏重があり、市場全体が下落した際には連動して大きく下がる可能性があります

まとめ|高配当ETFは「高利回り=高リスク」であることを忘れずに
ここまで楽天証券で買える年率8%以上の高配当ETFを紹介してきましたが、重要な点があります。
これらの高配当ETFは、分配金を出すためにリターンを犠牲にしている面があるということです。
- ハイイールド債ETFは、信用力の低い企業に貸し出すことで高利回りを得ていますが、その分デフォルトリスクが常につきまといます。
- モーゲージREIT ETFは、レバレッジをかけた超高リスクモデルであり、金利上昇局面ではあっという間に資産価値が半減する可能性があります。
- 高配当株ETFは、利回りだけを基準に選ばれるため財務基盤の弱い企業も多く、株価下落で配当以上に資産を失うケースも珍しくありません。
また、「分配金=利益ではない」という大前提があります。
分配金は投資信託やETFの純資産から支払われるため、必要以上の分配は結果的に元本取崩しを意味します。
本来、投資の目的は資産の成長(リターンの最大化)です。
利回りや分配金だけを追い求めるのではなく、
✅ まずリターンが期待できる商品を選び、
✅ そのうえで自分の資金ニーズに応じて分配の有無を決める
ことが大切です。
そもそも資金が必要になったときは解約すればいいだけであり、「分配金が多い=良い商品」と短絡的に考えると、大切な資産を失いかねません。
高配当ETFは、高利回りの裏にあるリスクを理解した上で、ポートフォリオ全体のバランスを考えて組み入れるべき商品であることを忘れないようにしましょう。
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